Point②
進化する手巻き式ムーブメント
高級時計の世界において、今もなお手巻き式のクロノグラフ専用ムーブメントを採用するメーカーが多いのだが、そこにはいくつかの理由がある。
クロノグラフは複雑な設計であることから部品数が多くなるため、ムーブメントは必然的に厚みが出る。そこにローターが重なる自動巻きの機構となればなおさらだ。
つまり、手巻き式ムーブメントを採用することは、時計の厚みを抑えるには最適な選択なのである。これに加え、あえて振動数を抑えることでムーブメントはパーツの消耗が減ることから耐久性を増すことができる。
この2つの条件は、伝統的なクロノグラフを再現するうえでのもはや必須条件。その意味をオメガはとても理解しているブランドだ。
今回のムーンウォッチが新たに手に入れた1万5000ガウスという圧倒的な耐磁性は、「コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー3861」の導入によって手に入れた。
毎時2万1600振動の手巻き式ムーブメントは、50時間のパワーリザーブを備えている。
磁場をも味方につけた手巻き式ムーブメントは、 「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」の進化におけるハイライトであるに違いない。
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