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「ウティ」のカーゴパンツ

「M-47」をベースに作られた本格カーゴパンツ。高密度に織られたがっしりとした綿100%素材は、経年変化で味が増していくのも楽しみ。フラップ付きのカーゴポケットを装備。各3万円/ウティ info@outil-vetements.com
推薦人
ピルグリム サーフ+サプライ ディレクター 泉 貴之さん(43歳)
20代をLAで過ごし、帰国後ビームスに入社、2015年より現職。妻、娘、猫と世田谷に暮らす。趣味は自転車、ナチュールワイン、北欧家具。
僕たちの周りには、古き佳きワークウェアを忠実に再現していたり、またはイメージソースに据えて作られている洋服はたくさんありますが、実際にワークウェアとして使われている洋服は稀だと思います。
僕がすごいと思うのは、ウティの洋服はリアルなワークウェアだということ。
フランスはジュラのナチュラルワインの生産者たちに愛されていたり、日本でも某家電メーカーの工場でユニフォームとして使われていたりと、そんなストーリーに心打たれます。「好きなブランドはフランス海軍」と豪語するデザイナーの宇多悠也くんのこだわりは半端ではない。
ウティで人気のナバルボーダーカットソー「トリコア」を初めて手に入れたのが2018年。その当時、ウティで作られていた「トリコア」はフランス海軍のナバルボーダーのデッドストック生地を使って作られていました。
その物語に引き込まれて試着してみたら、ビッグシルエットだけど決してだらしなく見えない。ネック回りなどの細部を計算して作られているなと感動したのが購入のきっかけでした。
付け加えると、今の「トリコア」の生地はフランス軍のデッドストックではないのですが、その生地を再現したオリジナル生地で不定期にリリースされています。
ただ、再現するといっても、さすがはこだわりの強いデザイナー。フランス海軍の生地を編んでいた編み機を使って忠実に再現し、縫製もフランス海軍のユニフォームを縫っていた人たちにお願いしているのだとか。とにかくこだわりが強いなという印象を受けます。
そして毎回驚くような素材の提案があります。僕が感動するのは、デザイナーが服の背景をしっかりと把握したうえで、信頼できる人たちと膝を突き合わせて、もの作りをしているということ。そしてそこにたどりつくまでの妥協しないプロセスを聞くと、絶対に真似できないなと思います。
 
清水写真事務所=写真 星 光彦、来田拓也=スタイリング 増山直樹、早渕智之、長谷川茂雄、森上 洋、いくら直幸、髙村将司、大西陽子、中田 潤、今野 塁、菊地 亮=文


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