コラボレーションの本質は、A社とB社で化学反応が起きることだろう。互いの魅力をひとつの作品に詰め込むからこそ、今までにない新鮮さを感じるのだ。
アシックスはこれまで、KITHのロニー・ファイグをはじめ、キコ・コスタディノフ、アウェイクのアンジェロ・バクなど、ストリートを賑わす時代の寵児たちと手を組み、継続的にトピックを生み出してきた。
そして、同老舗スポーツメーカーの次の一手は、日本建築界のフロントマン、隈 研吾とのコラボレーションだった。
隈 研吾といえば、新国立競技場をはじめ、雷門の目の前に立つ浅草文化観光センター、銀座・歌舞伎座、“日本一おしゃれなスタバ”との呼び声高いスターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店など、傑作を挙げれば枚挙にいとまがない。
また、昨年大晦日の紅白歌合戦でYOASOBIがライブを行った角川武蔵野ミュージアムも、隈氏が設計した建造物である。
2019年に初披露されたアシックスと隈氏のコラボレーションスニーカー「メタライド アム(METARIDE AMU)」は、“建築家がデザインしたスニーカー”として、ファッションや建築の枠を超えて大きな注目が集まった。
日本の伝統的な竹細工技法の「やたら編み」から着想を得たという建築的な外観はもちろん、木材由来の軽量かつ高強度の次世代高機能素材“セルロースナノファイバー”を使用したミッドソールは、環境に配慮して着色をせずに木のような色味をそのまま活かすなど、隈氏のデザイン哲学が一足のランニングシューズに凝縮されている。
そしてこの度、同モデルから待望の第2弾のリリースが決定。
サンドベージュカラーをまとった最新作は、隈氏が人生で最も大きな影響を受けた「若き日のサハラ砂漠での旅」をヒントにしている。
特に、スポーティなアッパーやシューズを覆うテープの囲い、ヒールテープは、同じベージュでもコントラストが出るよう、メリハリをつけているのが印象的。
繊細な色使いのこだわりについて、隈氏はこんなコメントを伝えている。
「サハラ砂漠は木と砂が風景を形作る。それらは場所によって分量が変わり、同じベージュでも複雑な色の風景を作る。サンドベージュのメタライド アムは同じ色を扱いながら、シューズの各部で微妙な色の差異をもっており、より自然の風景に近づいた。靴が自然に溶け始めているようだ」。
デザインもさることながら、ランニングシューズとしての性能もトップクラスだ。
軽量性と耐久性を追求したフライトフォーム(FLYTEFOAM)と、やわらかく弾むような感覚のフライトフォーム プロペル(FLYTEFOAM PROPEL)の2つのフォーム材の組み合わせで足運びを軽やかに。
また、靴ヒモを結ばないシューズでありがながら、ランニングシューズで使用されるシューレースストッパーを採用。前作よりもホールド感を高め、ランニングや長時間の着用にもマッチした仕様にアップデートされている。
別名「和の大家(たいか)」と呼ばれる隈氏とアシックスが自信を持ってお届けする「メタライド アム」は、3月12日(金)午前10時と翌週3月19日(金)午前10時の2度に分けてリリース。
隈 研吾の「動く建築」にして「最小の建築」、是が非でもコレクションしておきたい一足なのでは?
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