カラフルな色使いに動物や自由の女神、口づけを交わす男女などのモチーフ。しかもこの形は、我々の時計遍歴で言うと“青春”をともに過ごしたスウォッチだ。
らしさ全開のかわいらしさが、いいじゃないか。
先日登場したこの最新作は、ポップでカワイイ仕上がり…… いやちょっと待てよ、よく見るとこの絵、知ってるぞ!
実はこれ、スウォッチとMoMA(ニューヨーク近代美術館)のコラボコレクション。MoMAに収蔵されている誰もが知る著名な6作品をプロダクトに落とし込んでいるのだ。
キース・ヘリングも再び登場したばかりだが、アートとスウォッチはつくづく相性がいい。さて、作品をじっくり観ていきましょうか。
ゴッホの見た『星月夜』
こちらは1889年にフィンセント・ファン・ゴッホが発表した作品、『星月夜』をデザインした時計だ。
『星月夜』はゴッホの代表作のひとつで、映画『ミッドナイト・イン・パリ』のメインビジュアルのモチーフにもなっているので、アート通でなくとも見覚えがあるかもしれない。
月と星でいっぱいの夜空を大きな渦で表現したこの作品。心の病を患っていたゴッホが、病院の窓から見える風景にインスピレーションを得て、過去の記憶とコラージュして描いたといわれている。
針には月光を彷彿させるイエローをチョイス。ナイスなデザインだ。
ルソーが残した最後の『夢』
アンリ・ルソーの『夢』をモチーフにした時計も、ご覧のとおり。
ルソーはパリの税関に勤めていた異色の経歴を持つ画家。絵画も独学で学び、当初は周囲に笑われることも少なくなかったという。
『夢』は、そんなルソーが残した晩年の大作だ。彼が得意としたジャングルをモチーフにした作品の中では最も大きく、縦約2m、横約3mのキャンバスにダイナミックに描かれている。
ベルトいっぱいにジャングルを、文字盤にはこちらを覗き込むようなライオンの顔を描いた。
よく見ると針が蔦のようなデザインになっている細かな演出もニクイ。
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