ツバタンキャップは街でもトレイルでも最高だ
ランニングのログを管理するのは嫌いなので、スポーツウォッチは使わない。着用しているのはいたってフツーの時計だ。
「今はログを取らないだけでなく、走るときのペースも気にしません。ただ、まったく何の計測器も持たずに時刻がわからないというのはさすがに支障が出かねないので、大学生のときに数万円ほどで買ったセイコーを引っ張り出してみました。
試しに電池を入れてみたら、さすがセイコー。ちゃんと稼働してくれて。自動巻きではなくクオーツなので、いろいろと安心です」。
と、実用ガジェットでもなければ狙ってハズしているワケでもなく、肩肘張らない絶妙なギアのチョイスが実に近田さんらしい。
キャップはこれまた友人が手掛けるガレージブランド、ハンガーノックのもの。ツバが短いこの手の“ツバタンキャップ”の先駆けで、もともとはトレイルランで木の枝などを避けられるように頭上の視界を確保するために考えられた。芯なしでソフトだからランニングで使いやすい。
「街着としても絶妙で、ツバを後ろ向きに被るスタイリングのときもツバタンだからジャマにならないんですよ」。
面白いことをしているからなのか、近田さんの周りには小規模ながらオリジナリティ溢れるモノ作りをする人たちが自ずと集まってくる。ランニングというライフスタイルがそこでまたひと役買う。とにかく、あくまで自然体なのだ。う~ん、うらやましい。
「友人と
100miles100timesというポッドキャスト番組を配信しているのですが、5月にその友人が企画するプライベートな100マイルのグループランチャレンジがあるんです。
今はそれに向けて徐々に走る距離を伸ばしているところ。久しぶりの100マイルになるので、どんな経験、どんなハプニングに出合えるのか、ドキドキしています」。
RUNNER’S FILE 29 氏名:近田耕一郎 年齢:48歳(1972年生まれ) 仕事:食品メーカー代表 走る頻度:平日3回、週末1回。5~15kmほど 記録:100マイルレース完走 |
連載「Running Up-Date」一覧へ「Running Up-Date」ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真