かくして、大学入学後は学校生活のかたわら、1年生の冬から、ここ「串猿」でアルバイトを始めた。居心地がよくて丸3年も働いているため、「大学時代の一番の思い出はここ」だという。
一番好きな食べ物は煮込みハンバーグだが、「あ、お刺身も大好きです」と言って下の写真を見せてくれた。
沙綾さんはとにかくよく笑う。スタッフの雅人さん(26歳)は言う。
「元気で明るい。気が利くし、いるだけで店が活気付きます。彼女目当てで来るお客さんも多いはず。あと、スタイルがいい」。
店には人を惹きつける魅力を証明する写真もあった。初来店の女性客が彼女の接客に感動して2ショットを残して行ったのだ。
ここでトイレに向かうと、入り口に貼ってある大量のチェキが目に付く。
これに関してはスタッフの拓弥さん(32歳)が説明してくれた。
「いろんなお客さんが近くのローソンでくじを引いて、大量に持ってきてくれたんです。僕の推しですか? 守屋 茜さんです」。
席に戻って、ふと沙綾さんを見ると、何やら鼻歌を口ずさみながら踊っている。
天真爛漫すぎるが、仕事はきっちりこなす。素晴らしいではないか。
ここで、沙綾さんの退勤時刻がやってきた。せっかくなので、私服も拝見させてください。
最後に読者へのメッセージをお願いしますね。
【取材協力】串猿 永福町店住所:東京都杉並区永福2-51-10 森本永福町駅前ビル1F電話番号:03-6304-3433www.instagram.com/kushizarueifuku/「看板娘という名の愉悦」Vol.141好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文