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2021.02.20

あそぶ

食のガレージメーカー「ウルトラランチ」の、ランナーフレンドリーなアプローチ

ウルトラランチ
「Running Up-Date」とは……
レースに参加するシリアス寄りのランナーなら、エナジージェルと呼ばれる補給食品を試したことがあるかもしれない。
40~50gの小さなパッケージに糖エネルギーが凝縮され、走るときに携行してもさほど気にならず、流し込めば素早くエネルギーに変わってくれるスグレモノだ。
だが、その便利な高機能食品に、ふとした疑問を抱いたランナーがいる。近田耕一郎さんは小規模な食品メーカー「ウルトラランチ」の代表で、仲間内からはドミンゴさんの愛称で知られている。

走り始めたきっかけは、ナイキとアップル

近田さんが走り始めたきっかけは音楽だった。もう少し言うと、ナイキとアップルだ。発端は2006年までさかのぼる。
ウルトラランチ
「ナイキとアップルが手を組んで、ナイキプラスというサービスを始めたんです。硬貨大の専用センサーをシューズにセットして、レシーバーをiPod nanoに装着させると、走行距離やスピードがリアルタイムでわかるという、当時としては画期的なガジェットでした。
ランのあとはそのログデータを専用サイトにアップでき、走行距離でほかの参加者と競えるなど、今では当たり前となったSNS的な機能もありました」。
iPodの登場により、ランニング中に音楽を聴くことがグンと手軽になったのだが、そこに目を付けたナイキがアップルと協力することで、さらにその一歩先を踏み出したというわけだ。
ナイキとアップル。
イケてる大企業同士の意外なコラボガジェットは、それまでランニングにさほど興味がなかった層も取り込んでいくことになる。
ウルトラランチ
「ほどなくして、ナイキ自身からナイキプラスオリジナルの『走るときに聴く音楽』を作ろう、という企画が立ち上がりました。その名もワークアウトミックス。FPMやレイ・ハラカミなど、クラブミュージックやインディーシーン寄りの日本人ミュージシャンにお声がかかりました。
その頃、ちょうどそういった非メジャーレーベルの音源をiTunesに対応させる仕事をしていたんですよね。その流れでナイキとミュージシャンとの橋渡しを仰せつかったのでが、この話を持って行くと、ミュージシャン自身も『まず走ってみよう』となるわけです」。
すると行きがかり上、話を持って行った近田さんも彼らと一緒に走ることになる。あれ、これはなんだか面白いぞ。案外楽しいじゃないか。かくしてここにひとり、ランナーが誕生した。


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