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「マルカツサカバ」では一昨年の5月から働いている。たまたま店頭の求人告知を見て応募したという。
「とはいえ、お酒のことはまったくわからないので最初は大変でした。ハイボールって何?という次元で。お客さんによって焼酎の濃さの好みがあるんですが、別の人に濃いのを出して驚かれたりしました(笑)」。
丑年仕様のネイルはバレンタインが近いので、まだらを茶色にした。
「ここは天国みたいに楽しい職場です。オーナーも先輩もお客さんも、みんないい人。いい店でバイトできてるなとつくづく思います」。
一方で、オーナーの佐藤 勝さん(48歳)は咲良さんについて、こう評する。
「見た目はすごくかわいらしいんですが、お客さんに褒められたら変なガッツポーズをするとか面白い一面もあります。あと、うちのバイトのなかではいちばんの酒豪です(笑)」。
「ほら、あのガッツポーズやってよ」「これですか?」。
ちなみに、佐藤さんは高校球児。シードの強豪校で4番打者を張っていた。そのため、この店には当時のチームメイトや地域の少年野球関連の人々が集う。
高校時代のチームメイトの息子は日大三高で甲子園準優勝を果たした。
「もともとは北口で居酒屋をやっていたんですが、上のコーヒー店のオーナーが当時からのお客さんでして。商店会の会長でもある彼から誘われて、ここに移転したんです」。
常連さん同士も非常に仲が良く、コロナ以前は頻繁に飲み会を開いたり、旅行に行ったりしていたそうだ。
思い出のアルバムも大量にある。
というわけで、駅から遠いものの人を惹きつけて止まない居酒屋を堪能した。最後に読者へのメッセージをお願いします。
春になってコロナが終息していたら、テラス席で乾杯したい。
 
【取材協力】
マルカツサカバ
住所:東京都三鷹市下連雀2-16-10
電話番号:0422-70-5440
www.instagram.com/marukatusakaba/
「看板娘という名の愉悦」Vol.139
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文


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