自然とのつながりを求めて
リビング・ビルディング・チャレンジの評価項目の中には、定量的に評価できる事項だけでなく、定性的な側面を持つ事項も含まれており、評価がいっそう困難になる。しかし、アーロンは、そうした定性的な項目こそ最も重要だと考えている。たとえば、「バイオフィリア」という項目がある。
バイオフィリアとは、人間には生まれつき自然との結びつきを求める傾向があるという考え方だ。アーロンはこの評価項目を満たすため、自然換気や有機的形態を通して、住居と周囲の環境を共鳴させるよう設計した。
「家とは体験なんです」とアーロンは語る。「家はものの見方を教え、安らぎと神秘、そして冒険をもたらします。家を体験している最中からその表情がめまぐるしく変わるため、私たちは決して全体像を見ることができません」と述べた。
階段からバスルームにかけて展開する落ち着いたモザイク作品は、地元のアーティストであり、友人でもあるマヤ・リー・ポートナーが再生タイルを使って敷き詰めた。ミッドセンチュリー期デザインの明るいオレンジ色の暖炉は、非営利団体が運営するリサイクルショップ「リユース・ハワイ」で見つけたコンドン・キング・アツテックのもの。この暖炉が点ると、火に魅せられて人々が自然とリビングルームに集う。
この家は、バウワース・アンド・クボタのチームが何年も費やし、2019年暮れに完成した。寄贈者やパートナー企業のサポート、そしてアーロンの家族の献身的な支えも忘れてはならない。
その後、1年にわたりリビング・ビルディング・チャレンジの審査を受けることになる。この審査を通過すれば、ハワイで最初に認証された住居となる(ハワイ・プレパラトリー・アカデミーのエネルギーラボがすでにリビング・ビルディングの認証を得ているが、住居では初となる)。
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