創造力をフルに使って
アーロンは創造力をフルに使って、ハワイの建築物ならではの課題に立ち向かった。リビング・ビルディング・チャレンジで求められることのひとつに、使用する建材の大部分は地元の資源から得なければならない、というものがある。
ハワイ産の材料としては、溶岩石、コアやオヒアの木など、ほんの数種しか使えるものがないため、アーロンは、これらは使わずに保護するほうがよいと考えた。代わりに、オアフにあるシングルウォール工法の家屋を取り壊した際に、たくさんの廃材が出ることに着目をした。
こうして、シダーやレッドウッドなどの材料を手に入れた。それらは、ハワイの高い湿度、腐食性のある潮風、シロアリ被害、強い紫外線に耐えられることが実証済みだった。それだけではなく、アーロンは廃棄所に送られるはずだった材料を救ったのだ。
最先端の暮らし
アーロンの家は最新技術や最新機器を備えているが、彼のインスピレーション源は自然であり、自然とつながるハワイの文化だった。たとえば、水は貴重だ。ハワイの人々にとって大切な資源である。そこで、屋根に植えられたラウアエシダが、豪雨による雨水を吸水して家を涼しく保つ。トイレやキッチンのシンクから出る汚水は、好気性処理法を用いて処理し、洗濯石けんとして使える実のなるアエの木(ハワイのムクロジの木)など、食用ではない植物の地下潅漑に用いる。
生活排水は、排水に熱が残っている場合はこれを取り出して新たに水を加熱するために使ってから、床下で貯めておく。集水雨水は、飲み水やシャワー以外にも、敷地内に生息するライチ、マカデミアナッツ、コーヒー、マンゴーなどの25種類以上の果樹の潅漑用水など、幅広く使われる。
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