上限20ドルというチャレンジ
20ドル以下で見つけることが今日の課題だ。状況的にはかなり不利。300ドルの本物の舷窓(※訳注:船の舷に取り付けられた、丸くて小さな窓)か、ロングボードのコレクションにするか、迷うことなどできまい。
モザイク模様の大理石のように見える75ドルの地球儀もダメ(「少なくとも、今回の挑戦ではダメってことよ」と釘を差しておく。「今回の挑戦以外だったらいいわよ」と。残念だけどATMを探してね、と夫に伝えた)。
結婚生活が試されようとしている、ということでもある。クローゼット用の巨大なS字フック(これ以上につまらないものって、ありませんよね)や、「10分も経てば、熱中症になっちゃう、と泣き言を言い出したとき」のために木製扇風機を買うメリットを夫が延々と説明する傍らで、私は、貝殻でできたフグの吊り飾りや、スポーツ用の小さな麦わら帽子、ヴィンテージもののハットピンのコレクションをめぐって、うーん、うーんと悩んでいる。(「帽子なんて、ひとつも持っていないくせに」と夫は力なく抗議する。なぜここへ、夫を連れてきてしまったのか。)
実用主義者はスワップミートに関して誤解している。彼らは、ここに必要とするものがあると思い違いをしているのだ。砂漠のように蒸し暑い駐車場に繰り出し、生活必需品の買い物リストを片手に、ごちゃごちゃしたテントの中を探し回るわけがない。これは、目的が何なのか、という問題だ。
スワップミートには可能性がある。つまり、完璧な取引や珍しい宝石、過去への追憶にかける可能性だ。私は20年前、コンクリートでできたこの神聖な通路を歩き、熟した冷たいプラムを食べながら、靴の山を掘り返し、ようやく、1997年に流行した刺繍入りの厚底サンダルを見つけた。
屋台をいくつも探し回り、私の人形「ケン」にぴったりの赤いアロハプリントのシャツを見つけた! エアブラシで虹を描いた、カスタムメイドのTシャツも手に入れた。そのTシャツは、くたくたになるまで着倒した。
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