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苦しみの過去と信仰が紡ぐメロディ

この曲はミラーが作った。ウィンドチャイムと環境音で始まり、それからピースフルなインストゥルメンタルが流れ、聴く者の心を現実から連れ出していく。
たった今、自分は自然の中に抱かれている――そんな気持ちになってくる。「君の言ったことが今でも信じられない」と、ミラーの歌声が響く。「タバコと酒で、ゆっくり流してしまおう」。
ミラーは歌詞の1行1行を丁寧に歌う。まるで教会で告解をする言葉のように、あるいは酔っ払いのぼやきのように、数単語ごとに間を挟む。キリスト教信仰と依存症という2つのテーマが絡み合った曲だということを考えれば、どちらの印象も正解なのかもしれない。
「いつも僕はこれを選んでしまう、それは罪なのに」と、敗北感を滲ませて歌い上げる。

ミラーはこの曲を、鬱だったときの暗い日々の証しとして書いたという。少年時代に虐待を受けた彼は、薬物とアルコールの依存症になった。本人の説明によると、鬱の症状は数年かけて悪化し、ついには自殺未遂をするに至った。
「何度も考えた、ここから逃げ出すことを」と歌詞は続く。「何度も探した、ここから抜け出す道を」。自殺未遂をしたときの彼は、気づくと床に倒れていた。まだ生きている。そう思ったとき、すぐそばに神の存在をはっきりと感じた。信仰を深めることに人生を使おうと心に決めたことで、彼の鬱は少しずつ和らいでいった。
心に残る曲がおだやかに終わると、歌っていた本人がバックミラー越しにこちらの目をまっすぐに見た。「気に入った?」と笑う。次は、レオーネが作詞・作曲した曲を流す番だ。


3/3

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