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2021.03.13

ライフ

ホノルルの2人組ユニット。苦しみの中で紡がれた音楽がソウルに響く

当記事は「FLUX」の提供記事です。元記事はこちら

2019年にミニアルバム『シーズン』でデビューしたハワイ・ホノルル拠点の2人組ユニット「トウェルブヌーン&ミッドナイト」。共に作詞作曲を行うメンバーのミラー(写真上:右)とレオーネ(同:左)は自分たちが体験した鬱や信仰をデビュー作で表現している。
クリスマス翌日の朝だった。トウェルブヌーン&ミッドナイトというデュオを構成するシンガーソングライター、ガブリエル・ミラーとフレディ・レオーネとは、スターバックスの駐車場で落ち合った。
彼らのミニアルバム『シーズン』について、コーヒーを飲みながら話を聞くはずだったのに、ふたりは店内ではなく、彼らの白いSUVに乗り込んで曲を聴いてほしいと言い出した。
「助手席に乗ったほうがいい? それとも後部座席?」とたずねると、ミラーはじっくり考えこみ、それから答えた。
「後ろだね。そのほうが音に包まれるから」。レオーネが運転席に座り、エンジンをかける。全員の位置が決まると、ミラーが身体をひねってこちらに顔を向けた。
ハワイ語で言えばコロヘな顔、いたずらっぽい表情が全開だ。レオーネのほうは座席でそわそわしながらも、同じように大きな笑顔を見せた。「じゃあ、準備いい?」とミラーが言う。
彼らにインタビューをしたこの日は、『シーズン』リリースの2週間前。ふたりの様子から判断するに、どうやらアルバムに収めた5曲を部外者に聴かせるのは初めてらしい。ミラーがスマホの再生ボタンをタッチすると、「罪」というタイトルの曲が車内に溢れ出た。


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