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目標は「100年後にも使われる道具の開発」

オンウェー
ブランド初期から現在まで売れ続けるベストセラー「ディレクターチェア」。
ブランド初期に転機となった製品は、現在も売れ続けている「ディレクターチェア」だろう。
従来のディレクターチェアは足が4本あったが、1本のフレームを美しく曲げたものをサイドに採用することで、これまでにない強度とフォルムの美しさを実現。また、ワイドな設計、後ろ荷重にすることで座り心地の快適さを重視した構造になっている。
この作品を機に、オンウェーの名は海外の展示会で注目されることとなった。オンウェー独自の強みを作り上げた、記念碑的製品である。
オンウェー
ほかの製品開発で不良在庫になっていたフレーム素材が発想の元となった。
以降も、ネジなしで畳んで収納できるテーブル、ベンチにテーブルを収納できるセット、丸められるアルミ天板のテーブルなどを画期的なアイディアが光る製品を次々と発表し、マーケットに大きな影響を与え続けてきた。
自動車のバンパーや住宅の外壁から素材の着想を得たりと、発想は自由そのもの。その強みを活かした共同開発にも積極的で、近年はザ・ノース・フェイスのファニチャーも手掛けている。知らずに愛用している読者もいるのでは?
オンウェー
左の一般的な丸型フレームと比べると違いは明らか。部材ひとつとっても設計、試作を繰り返している。
さらに、より快適な時間を使用者が過ごせるようにと定番モデルの素材を見直したり、ディテールを変更し続けたりと、現在の地位にあぐらをかくことはない。
オンウェー
ブランドの歴史を追う図。たくさんの椅子を開発してきたことがわかる。
目標は「100年後にも使われる道具の開発」と言うが、彼らの椅子を未来のキャンパーがフィールドや自宅で愛用しているシーンを想像するのは難しくないような気がする。
欲しくなったら、自分のためやキャンプで使うためではなく、「孫のため」「自宅でも使うため」と言えば、きっと奥さんも首を縦に振るに違いない。
 
[問い合わせ]
オンウェー
03-3234-9981
www.onway.jp
「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る
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池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真


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