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折り畳みファニチャーへの飽くなき探究心

オンウェー
モデルごとに独創的なフレーム構造が採用されている。
数あるアウトドアギアの中で、泉さんが目を付けたのは折り畳みができるアウトドアファニチャーだった。
当時のキャンプブームは欧米からの影響を大きく受けていたため、キャンプ道具はどれも欧米仕様の大きく重たいものが当たり前だった。欧米人はなんでも積み込める大きな車と広々としたガレージを持っている。しかし、我々日本人は同じようにはいかない。
よりコンパクトに収納できる方法はないか。より軽量で丈夫な素材はないか。泉さんは自社工場を立ち上げ、製品開発から品質管理までを手掛けながら、最良の形を模索し続けた。
オンウェー
さまざまな試行錯誤を経て、良いとこどりな多方向開閉タイプが生まれた。
ちなみに、折り畳み椅子と言われて、皆さんはどのようなものを思い浮かべるだろう。きっと会議室にあるような形に違いない。
あれは「前後タイプ」と分類されるもので、座面が畳まれないために座り心地はいいが、収納性に難がある。一方、アウトドアチェアによく見られる「中央収束タイプ」は、収納サイズが非常にコンパクトな反面、座面の張りが出せないデメリットがある。
そこでオンウェーが生み出したのが、両方の良い面を併せ持った新機構「多方向開閉タイプ」。フレームの構造自体から設計し直し、小さなパーツやギミックを搭載することで、座り心地と収納性を同時に実現させている。
座り心地の違いは、アウトドアショップに行ってみれば明確にわかる。
オンウェー
小さなパーツや構造を見直すことで驚くほどコンパクトな収納方法を実現している。
実はオンウェー製品の大きな特徴が、この座り心地の良さ。どの椅子も使用目的が設定されており、人間工学に基づいてそれぞれのシーンでもっとも収まりが良い高さと角度に、座面と背もたれがデザインされている。
アウトドア好きの間では、「オンウェーの椅子は一度座ると立ち上がりたくなくなる」なんて話も出るほど、その座り心地の評判は高い。
しかし、このデザインから設計、製造までを指揮する泉さんは営業畑出身というから驚きだ。すべて独学でデザインや人間工学を学んだというのだから、その熱意には頭が下がる。
オンウェー
リラックス用と軽い休憩用では、背もたれや座面の高さがここまで違う。
オンウェー
実物で見比べると、モデルごとの違いはよーく見ないと気付かないほど。しかしこの違いが大違いとなる。


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