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「地域」に興味を抱いた理由

宮部さんが「地域」に興味を抱いた理由はいくつかある。ひとつは、学生時代に鎌倉で映画祭を企画したこと。自身が映像制作に携わっていたことから、学生の映画監督、映像ディレクターが世の中に認知される場所を作りたいと思ったのだ。
海があり山がある湘南において、鎌倉は古都としての風情を備える。宮部さんはそうした風土を大切にしながら、地元からも新しい価値を創出したいと考える。
当時は鎌倉が世界遺産登録を目指していたタイミング。映画祭を行えたら街は盛り上がり、これから映像の世界を目指す人たちにも認知されるのではないかと考えた。
その過程で、鎌倉という街をもっとよく知るため、地域のまちづくりワークショップなどに参加。若い人から高齢者まであらゆる年代の人たちと交流して、改めて自分の街を知り、同時に彼らが「自分たちの街をどうしていくのか」について熱く議論を交わす姿に衝撃を受けた。
映画祭は卒業と重なるなどタイミングが合わずに実現できなかったが、この衝撃を伝えるべく鎌倉の街の人を通して街の魅力を伝えるフリーペーパー「KAMAKURA」を創刊した。
以来、宮部さんは地域コミュニティや街づくりに強い関心を抱いていく。大学院で地域ブランディングや地域愛の形成についての研究を行ったのちに、暮らし領域でのサービスを展開する「ライフル」へ入社。8年勤務した昨年退社し、ローカルフリーランスとなった。
鎌倉のスパイス会社「アナン」とはスパイスカレー講座を月イチで開催。受講者を募りオンラインで展開している。
単純な“お金儲け”には面白みを抱かない宮部さんは、いろんな地域の人とつながり、暮らしに触れられる生き方が豊かだと感じる。
公私で地域を巡るのはそのため。そして友達だけれど仕事やプロジェクトがあった際にはビジネスパートナーにもなっていくつながりを、全国で増やしていきたいという。
福島県いわき市にある古民家カフェ「HITO-TABI」には雑誌の取材で訪問。地域には個性的な場が増えていると感じる。


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