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子供時代の記憶に導かれ、作業療法士に

作業療法士とは、身体や精神に障害のある人の日常生活をサポートする医療従事者のこと。
寝返る、立ち上がる、歩くなどの動作ができるように身体の機能回復に特化したサポートをする理学療法士に対し、作業療法士は入浴や食事など日常生活の動作や、手工芸をはじめとするさまざまな作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行う。
国家資格の必要な専門職だが、堀木さんは高校生のとき既に作業療法士を志していたという。
「今振り返ると、小学生の頃にやっていたミニバスの影響が大きかったかもしれないです。バスケの先生が普段養護学校で教えていた人だったので、自閉症の子やダウン症の子を連れてきて一緒に練習することもあって。
だから医療の道へ進もうと考えていたわけではないんですが、ミニバスでの経験は強く記憶に残っていました。絵を描くのが好きだったこともあり、ものづくりを通じたリハビリで困っている人を助けられたら──自分がやりたい仕事について、漠然とそんなイメージがありましたね」。

当時はリハビリの専門学校が少なく、選んだのは静岡県の浜松にある学校。遊んでばかりだった高校生活から一転、1日10時間におよぶ受験勉強をこなして難関の入学試験にパスした堀木さんは、18歳にして単身で浜松へ引っ越す。
生まれ育った東京から遠く離れた場所で経験する、初めてのひとり暮らし。環境を大きく変えることで生まれ変われるのでは、という思春期らしい期待もあったが、結果は「なにも変わりませんでした(笑)」。
一方、ひたすら授業と勉強に打ち込んだことで、国家試験に見事合格。4年制の専門学校を卒業すると同時に、晴れて作業療法士になった。


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