夫婦でいえば銀婚式の一歩手前。そんな長い年月を連れ添ったアイテムとの間に込められた想いは、移り気の激しいシーンにおいてことさら眩しく映るのだ。
自分らしくいたい、と今なお古着のワークウェアとともに
スロウガン・小林 学さん(54歳)と「チャンピオン」のリバースウィーブ財布事情に優しく、ファッションの教材としても有益だった古着。オリジナルが放つ“本物感”は魅力的で新品よりむしろ輝いて見えた、と小林さん。
「古着をよく知っているということは、服をよく知っているとほぼ同義。スウェットでいえば、その指標はやはりチャンピオンでしたね。なにせ、アメリカ海軍のトレーニングウェアにも採用され、学生たちの普段着としても親しまれてきたわけですから」。
古着を今なお愛し探求し続ける求道者のごとき小林さんが昔から着続けるのが、チャンピオン製スウェットの国内需要が最も湧いた1980年代のもの。
「アメリカンカジュアルの礎、フードも立つほどに地厚で丈夫、ミリタリーの薫り、染みたようなプリントやトリコタグ、わがままボディを受け止めるサイズ感、味わい深い佇まい。もう跳ね満確定の一着(笑)。昔から延々着続けている、僕のいわば原点ですね」。
カシミヤのパーカに比べたら着心地はお世辞にもいいとはいえないが、袖を通すことで初心に帰れると小林さん。「このリバースウィーブの存在は、大人になればなるほど大切だと感じます」。
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