本当のことを言えば誰にでも似合う服なんてない。
例えばネイビージャケット。しばしば「着る人を選ばないアイテム」と評されるが、素材、ラペル幅、ボタンの色、着丈といったちょっとした要素のわずかな違いで、似合ったり似合わなかったりする。まあそれでも、ネイビージャケットやデニムやTシャツは“似合う”の許容範囲が広い服なのだとは思う。
ではハイゲージのニットは?
秋から春先まで重宝する、大人の雰囲気満点のトップス。だが同じ身長でもスリム体型と筋肉質では似合う型が違う。逆に同じような体型でも肌の色によって似合う色が変わってくる。いわば「わりと手強いアイテム」のひとつなのだ。
そんな問題に真正面から挑み、正真正銘誰にでも似合うハイゲージニットを作るサービスがある。それがプラダ 青山店で展開されているニットの「メイド・トゥ・オーダー」だ。
素材は最高級のウールもしくはカシミヤをセレクト。型はクルーネック、カーディガンから半袖ポロまで王道の9型を揃えている。
圧巻なのがカラーバリエーションとサイズ展開だ。実に全47色、44〜62までの全10サイズを用意するのだ。
定番アイテムでありながらシビアな選択肢を強いられていたハイゲージニット。その新たな道標となるサービスなのであった。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 加瀬友重=文