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ダウンのメッカから上陸した強力な刺客

続いてはMサイズのダウンをセレクト。ダウン16万5000円/クルアニ マウンテニアリング、シャツ2万7000円/グラフペーパー、ニット1万6000円/エルイー、パンツ4万2000円/カル、スニーカー2万5000円/マテス(すべてレショップ 渋谷店 03-6712-5770)
カナダは雄大な自然に囲まれていることもあり、アウトドアへの関心がすこぶる高い。ゆえに、数多の優良アウトドアブランドが誕生してきた。
我々にも馴染み深いカナダグースやアークテリクスなんかは最たる例だが、なかでもダウンアイテムにおいて最高峰との呼び声高いブランドがクルアニ マウンテニアリングだ。

創業1971年のトロントの老舗は、寝袋からスタートした背景もあって、ダウンへのこだわりはひとしお。ダウン100%を貫き、ホワイトインダストリー社の高品質なカナダ産ホワイトグースダウンを使用している。

その表面はリップストップナイロンで覆われとにかく屈強。格別の温かさだけでなく、軽量さや柔軟さにもこだわり、着用時のストレスはほぼ皆無。山岳警備隊や森林警備隊でも使われていたという背景もうなづける出来栄えだ。

カナダの名門たる所以は、着用したときにこそより実感できるのだが、田口さんが惚れたのはそこだけじゃない。
「ご覧のように、グレーともグリーンともいえるこの絶妙な色味。そして、程よいツヤ感がその色味をよりモダンに見せています」。
確かに、あまりお目にかかれないその絶妙な色ツヤは、リップストップナイロンのオーセンティックな面構えでありながらどこかラグジュアリーな印象も抱かせる。

「しかも、袖口は通常、リブやゴムなどが一般的ですが、シャツのカフスのようなデザインなんです」と、ほかとは一線を画すディテールにも感心したのだとか。
ダウン特有のたくましさやラフさがありながら、どこか洒落た一面も見せるカナダの名家の一着。ストライプシャツやスラックスといった大人っぽいアイテムとも相性がいいことも、田口さんが気に入っている理由だ。
田口さんいわく「ダウンはザ・ノース・フェイスが以前復刻させた“ブルックスレンジ”以来」。
ただ、それもまた’90年代のレガシーであるだけに、エルイーの新作に惹かれたのも無理はない。うっすらのぞくそんな背景に惹かれつつも、見た目はコンテンポラリー。食わず嫌いな大人にこそ、是非とも試してほしい2着である。
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「ザ・ベストダウン 2020」とは……
冬アウターの王様、ダウン。その温かさ、存在感、使い勝手の良さはアウター界で他の追随を許さず、だからこそ各ブランドは毎冬、渾身作を世に送り出す。さぁ、2020年のキング・オブ・キングスを決めようか。
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佐藤 裕=写真 菊地 亮=取材・文


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