清潔感と品の良さ、いいとこ取りのクラシカルダウン
「先の2つとは違って、クラシックで光沢のあるデザインが特徴的なビームス プラスオリジナルのダウンジャケットになります。
ベースは70〜80年代にエディー・バウアーが出していたカラコラムダウンパーカー。それをオリジナルファブリックのミニリップストップナイロンで作りました。着丈の長さや肩まわり、シルエットなどのパターンを現代的にアップデートしています」。
機能重視のハイスペックダウンも悪くないけれど、やっぱりアメリカナイズされたデザインにはどうしても心が揺らいでしまう。このなんとも言えない絶妙な配色もビームス プラスの成せる技か。
「冬に白いアイテムを取り入れるのが好きで、この淡いブルーとも相性がいいんです。なので、ダウンのクラシックなデザインに合わせて、パンツもコーデュロイ地にして季節感を出しつつ、キャップはマドラスチェックのものを、シューズもスニーカーではなくモカシンを合わせて、クラシックだけど都会的な装いを意識しました」。
襟元のコーデュロイ部分は首裏に配して素材の付着を防ぎ、フード部分はフラップのディテールを追加して、首元から入る風の侵入を防いでくれる。ヴィンテージライクな雰囲気は残しつつ、より防寒性を高めるべくダウン量も多めに設定しているという。
実用的な側面が強いからか、カジュアルな印象を持つダウンジャケットを、ニットやモカシンと合わせて色気のあるスタイルに。若者には出せないこの風格。真似したいものである。
「ザ・ベストダウン 2020」とは……冬アウターの王様、ダウン。その温かさ、存在感、使い勝手の良さはアウター界で他の追随を許さず、だからこそ各ブランドは毎冬、渾身作を世に送り出す。さぁ、2020年のキング・オブ・キングスを決めようか。
上に戻る 佐藤 裕=写真 中田 潤=取材・文