■BMW「X5 xDrive35d/X6 xDrive35d」
車が50m自動でバックしてくれるから安心
「GLE」同様、「X5」もまた代を重ねるごとにビッグサイズとなった。
2019年2月に登場した4代目のスリーサイズは、全長4935×全幅2005×全高1770mm。用意されたパワートレインは3Lディーゼルターボのほかに、3Lガソリン+モーターのプラグインハイブリッドと4.4Lガソリンの3種類がある。
いずれも8速ATが組み合わされる。WLTCモード燃費は「X5」が11.7km/L。ひと回り小さい「X3」の2Lガソリンターボ車(X3 xDrive20i)の11.5km/Lを上回る。
なお全車2列シート5人乗りだが、「X5 xDrive35d」はオプションで3列シート7人乗り仕様を選ぶことができる。
3Lディーゼルターボは最高出力265ps/最大トルク620N・mを発揮。4WDシステムは同社独自のxDriveで、走行状況に応じて随時前後輪への駆動力配分を変化させる。
また高速道路などでクルージングしているときは、後輪のみで走行して燃費向上を図ってくれる。
さらに「X5 xDrive35d」と「X6 xDrive35d」のどちらにも用意されている「Mスポーツ」グレードを選ぶと、4輪アダプティブ・エア・サスペンションを装着することが可能になる。
これは路面状況や荷重に応じて車高を自動調整してくれるもので、安定走行に寄与するほか、例えば重い荷物を載せるときに車高を下げて積みやすくしたり、岩場などでは車高を上げたりすることができる。
また巨艦ゆえ、狭い道にハマると大変だが、直近50mのルートを自動的に記録しているので、「やばい、戻ろう」となった場合でも、車が自動でバックしてくれる機能を備えているから安心だ。
さらに高速道路ではハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能が備わる。これなら渋滞時にステアリングから手を、ペダルから足を離しても先行車に追従してくれるので、帰りの渋滞時は特に恩恵を感じられるだろう。
「GLE」、「X5」。どちらも乗り心地は抜群だし、先進運転支援機能が備わっているので高速道路での運転がラクになる。ボディが大きい分、荷物もたっぷり積めるから、家族での遠出やアウトドアライフの相棒には最適だ。今のライフスタイルにマッチした価値を持つ、ディーゼル車といえるだろう。
「ラスト・オブ・ディーゼルSUV」とは……低燃費なうえに、ガソリンより力強い走りが特徴のディーゼル車。世界で人気を誇るものの、電気自動車時代が本格幕開けした今は潮目が変わりつつある。魅力的なディーゼルモデルに乗るラストチャンス、改めてその魅力にフォーカス。
上に戻る 籠島康弘=文