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オウン・リスクだからこそ見出す考え方

──OMMとはどのようなレースですか?
イギリスは自分たちのスキルや限界に挑戦するという文化がある国で、リスクマネジメントが文化として根付いているんです。僕も本家OMMに参加したことがあるのですが、カルチャーショックでした(笑)。一度、スタートしたらなんのサポートもない。ケガをしようが救護所はないし、リタイアを希望しようが回収もない(マラソン大会ではバスで回収)。リタイアするなら、自分たちの力でどうにかできるタイミングで判断しないといけないのです。
すべて自己責任。そんなことも知らずに進んでしまい、今日のフィニッシュは無理と気がついた時にはちょうど真ん中あたり。雨は降っていて日も暮れる。近くのマーシャルにリタイアしたいと伝えたら、「そっか」だけ(笑)。
「ああ、このイベントは、もう誰も何もしてくれないんだ、生きて戻るには自分たちでどうにかしなくてはならないんだ」と悟りました。なんとか無事戻れたときの安堵感は大きく、その経験がこのイベントの核心を理解させました。



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