「年末年始はワイン三昧で」とは……例年のような忘年会も帰省もできないけれど、近くに住む親戚や友人と自宅でちょい飲み、なんてシーンが今年の年末年始は増えそうだ。
前回に続き、二子玉川にあるワインショップ「ニューヴァレー(NEW VALLEY)」が用意してくれたのは、そんなときに重宝しそうな「1L ワインセット」だ!
ガブ飲み多国籍セット
一般的なボトルだと750ml前後だが、こちらは大容量の1L。ドーンとしたボトルの存在感にちょっと男らしさを感じるはずだ。
「海外では居酒屋を併設したワイナリーが結構あるんです。自分の店や地元の人、家族でガブガブ飲むために作られたのが1Lワインです。自分たちで消費をするから、輸送で劣化する心配もないし、酸化防止剤をそんなに入れなくていい。だからナチュラルなワインが多いのも特徴です」(スタッフの木村明之さん・以下すべて)。
家族や仲間とガブガブ、気軽に飲むためのワイン。STAY HOMEな年末年始にぴったりじゃないか。
「量が多いからといって質が劣っているわけではありません。ちゃんと作っているからリッターでも美味しく飲めるんです」。
1本目のワイン紹介
1本目のイタリア・ピエモンテのオレンジワインは、ぜひ妻と飲んでほしいワインだ。
「普通のワインは酸化防止のために亜硫酸塩を入れています。ところがこの作り手の奥さまは体質的に亜硫酸塩が合わなかったんですね。そこで添加物を入れない、家族のためのワインとして作られたのが、こちらです」。
ブドウは土着品種が中心で、モスカート、ナスッタ、マンゾーニをブレンド。
「オレンジワインですが、タンニンをほんのり感じる程度で、アロマティックな香りと味わいを楽しめます。アンフォラという素焼きのかめで発酵させていて、優しく、フルーティで口当たりの良いワインです」。
家族への想いが詰まった1本を年末年始に開けるというのもオツだ。
2本目のワイン紹介
アール・デコのようなクラシックなデザインが格好いいエチケットは、1950年代〜1960年代に出回っていたエチケットを復刻したもの。
「アメリカに有名なワイン商があるのですが、そこのブルゴーニュオフィスでマネージャーを務めるクリストファー・サンティニという人が設立したワイナリーのワインです。昔飲まれていたようなブルゴーニュワインを作りたいという彼の想いがエチケットにも表れた1本です」。
ブルゴーニュを知り尽くしているといっても過言ではない彼が作ったのは、黒ぶどうのピノ・ノワールと白ブドウのシャルドネをブレンドしたナチュラルワイン。
「タンニンが少なくて、白ワインのような雰囲気だけど、ロゼではない。フランスワインらしいエレガントで綺麗な酸はあるけれど、ガブガブ飲める。このバランスが面白いワインです」。
3本目のワイン紹介
オーストリアでワイン酒場を営んでいる家族経営のワイナリーが作る地産地消ワイン。土着品種であるツヴァイゲルトを使用した赤ワインは、コスパの良さも魅力。
「適度なタンニンはあるのですが、渋みやざらつきが表に出ることはなく、本当にゴクゴク飲めるワインです。こういうワインが居酒屋にあればいいのに!って思ってしまいますね」。
リッターワインには「ヴァンドソワフ」と呼ばれる “喉の渇きを癒やしてくれるガブ飲みワイン”が多い。ワイングラスで飲むだけがワインにあらず。年末年始はコップでガブガブワインを楽しんでみるのもおすすめだ。
「年末年始はワイン三昧で」とは……今年も1年間お疲れ様です。年末年始は英気を養いたいけど、今年はお出かけもちょっと難しそう。ならばせめて美酒に酔おう! 味よし、コスパよし。オーシャンズ厳選のワインセットをどうぞ。
上に戻る 林田順子=取材・文