ザ・ベストダウン 2020●冬アウターの王様、ダウン。その温かさ、存在感、使い勝手の良さはアウター界で他の追随を許さず、だからこそ各ブランドは毎冬、渾身作を世に送り出す。さぁ、2020年のキング・オブ・キングスを決めようか。
今年の冬は例年に比べて寒いらしい。
となれば、身に纏うアウターだって変わってくるものだ。まだ遅くない真冬支度を前に、オーシャンズが注目するブランドの新作ダウンジャケットを実際に見て、着て、レコメンドしていく本企画。
第1弾はザ・ノース・フェイスの登場だ。
数々の極地遠征を支えてきたエクスペディションジャケット「ヒマラヤマンパーカ」の’94年モデルが「ヒム ダウン パーカ」の名を冠して帰ってきた。
早速その魅力をプレスの鰐渕さんと一緒に紐解いていこう。
新作「ヒム ダウン パーカ」を試着!
「これは、ザ・ノース・フェイスのアンバサダーである三浦雄一郎さんたちが、実際に活動時に着用しているヒマラヤンパーカというダウンジャケットの’94年アーカイブデザインを、街仕様にアップデートしたモデルになります。
デザイン的にはバルトロライトジャケットやヌプシジャケットと近いですね。当時に比べて素材も技術も進化しているので、ダウンの量を抑えながらも保温性を高めています」。
保温性、防風性に優れるヒマラヤンパーカ。マイナス40℃近くにもなる極地での活動を可能にする、ザ・ノース・フェイスを代表するダウンウェアのひとつである。
その登場は1994年で、当時のアーカイブモデルを現代版にアップデートしたアイテムが「ヒム ダウン パーカ」ってワケ。
鰐渕さん曰く、「ダウンの量を抑えられるのはグリーンダウン、つまりクリーンなダウンを使用しているから」だそう。
「クリーンであると同時に、リサイクルダウンでもあります。不要になったダウンを回収して精製、再利用しているわけですが、そもそもリサイクル前の製品には、羽毛同士の摩擦によって取り除かれなかった不純物だけでなく、損傷した未熟なダウンや小さなダウンが混ざっています。
それらを取り除き、良質なダウンだけを残す。それをさらに洗浄、選別して製品にしています。つまり、クリーンでリサイクルなダウンを使っているので、過剰な量のダウンを必要としないんです」。
まさにサステイナブルをしっかりと体現したダウンジャケット。表地には高い防風性を持つ30デニールの「ゴアテックス インフィニウム ウィンドストッパー リップストップ インサレーテッド シェル」を採用。撥水材には、環境への影響に懸念のあるフッ素化合物を含まないPFCフリー撥水材を使用している。
ちなみに、よく耳にする“フィルパワー”というキーワード。これはダウンをぎゅっと潰したあとの反発力の高さを意味する。つまり、フィルパワーが高いほど暖かくて良いモノ、低いほど寒くて悪いモノ、というわけではないので、恥をかく前にちゃんと覚えておこう。
「機能面においては保温性、防風性、撥水性など、街で着るうえでは申し分ないと思います。加えて、当時の仕様にはなかった取り外し可能なフードにすることで、より幅広い着こなしを楽しめるようなデザインになっています。今日みたいにインナーにパーカを合わせるときは、あえて外して着るのもありですね」。
現代のテクノロジーを駆使して生まれ変わった「ヒム ダウン パーカ」。
まずは、今冬の最強ダウンジャケットの最有力候補としてリストしておきたい。イエロー、ブルー、レッド、ブラックの4色展開で12月11日(金)より発売開始だ。
[問い合わせ]ゴールドウイン カスタマーサービスセンター0120-307-560佐藤 裕=写真 中田 潤=取材・文