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2020.12.09

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カマラ・ハリス次期副大統領の服をつくった日本人パタンナーの算段

当記事は、「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちらから。

 
大丸隆平(おおまる・りゅうへい)と初めて挨拶を交わした時、最初に目に飛び込んできたのは彼が着ていたTシャツだった。ニューヨークのチャイナタウンで購入したというパンダをあしらったTシャツ。間の抜けた表情の2匹のパンダが座っている。自宅には同じ柄のTシャツが20着くらいあるという。

 
大丸は、ニューヨークを舞台に、名だたるトップブランドのパタンナー(デザイナーの画を元に型紙をつくる)として名を挙げた。Alexander Wang、Thom Browne、Prabal Gurung、Jason Wuなど、合計2万着以上のパターンメイキングを手がけてきた。
2013年のオバマ元大統領の就任式の際、夫人のミシェル・オバマが着た服や、最近では次期副大統領就任が確実なカマラ・ハリスの服も、有名ブランドのデザイナーが大丸を指名して、つくらせた。
 
 
 
 
 
 
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パタンナーとしての豊富な経験を基に、大丸は2015年には自らのブランド「OVERCOAT(オーバーコート)」を立ち上げている。性別、人種、年齢にとらわれず、どんな人でも着られるように、ほとんどの服がワンサイズという特徴を持っている。
5年経ったいま、大丸はブランドをさらに加速させようとしている。過去最大規模のポップアップを開くために、このほど帰国した。しかし、コロナ禍でファッション業界全体が大打撃を受けているなかで、彼はどんな勝負を仕掛けるというのか。彼のこれまでの軌跡を振り返りながら、ファッションを通しての表現者の顔に迫った。

主要科目とアウトプット

福岡県出身の大丸、教育熱心な両親に言われるまま勉強に励み、高校は地元の進学校に入学した。だが、16歳のとき、途中で学校へ行かなくなってしまう。
学校では、鳥かごに入れられたような不自由さを感じていたという。国語、数学、物理、歴史など主要科目と呼ばれる教科の勉強はインプットばかり。アウトプットを重視する美術や体育は、「サブ」としてみなされる。アウトプットがもっと肯定されるような場所はないのか。大丸がその思いを強くしたのは、祖父の死がきっかけだった。


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