カジュアルに付き合いたいヴィンテージの金無垢時計
中井さんが今狙っている、ロレックスの大変珍しい時計がある。ロレックス「GMTマスター」Ref.1675/8の初期モデルである。
「これは、ヴィンテージロレックスの中でも根強い人気を持つ金無垢のスポーツウォッチです。いくつかバリエーションがあり、最初期にあたるこのモデルは、アルファハンドを備え、リュウズガードのない薄型のケースを採用しています。僕の中で“上がりの1本”候補に挙がるスペシャルピースですね」。
スポーツウォッチとドレスウォッチの中間に位置する「GMTマスター」の知られざるデザインは、時代を超えて人々を魅了する。
「金無垢のスポーツウォッチに対して苦手意識を持っている人が多いと思いますが、実際に使ってみると、ステンレスの時計では味わえない楽しさが感じられるはずですよ。
Ref.1675/8もそうですが、ヴィンテージウォッチは経年変化で落ち着いた雰囲気を持つ個体が多いので、気になる時計は一度手に乗せてみることをオススメします。
とはいえ、金無垢の時計1本だと心許ないので、ステンレス製の時計と2本持ちにするとか、いくつかある選択のひとつとして押さえておくのがベストかと」。
大切なのは気分。中井さんが考える時計選びのポイントはそこにある。
「時計を複数持ちするにしても、TPOで使い分けるのではなく、その時々の気分によって使い分ける。
このような考えを持つユーザーが世界的に増えていることから、高級時計の世界では、洗練されたスポーツウォッチの需要がかつてないほど高まっています。
もし僕がこの『GMTマスター』を手に入れることができたら、気負わずに、いつもの服にアクセサリー感覚で着けたいですね」。
「腕“時”慢」とは……腕時計好きが愛用する自慢の1本。なんで好きなの? いつ着けるの? 出会いはいつ? あなたの腕“時”慢なモノ語り、お願いします。
上に戻る 鳥居健次郎=写真 戸叶庸之=文