ヴィンテージ好きも唸る「タグ・ホイヤー×藤原ヒロシ」
「機械式時計は、一生使い続けられるアイテムだと思いますが、いつまでも飽きがこないかといえば、それは一概には言えないと思います」(中井さん※以下カッコ内はすべて)。
これまでヴィンテージを中心に、数々の時計を扱ってきた男の本音がそこにある。そのように話す中井さんが愛用する時計とはいったい?
「ヴィンテージウォッチにしても、その時々の流行が必ずあって、相場は生き物のように変動していきます。
例えば、数年前からタグ・ホイヤー(前身のホイヤー社時代)のヴィンテージに注目が集まっているのですが、その余波が現行コレクションにまで及んでいるのは、復刻モデルのラインナップを見れば明らかです」。
その流れを汲む「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 by Fragment Hiroshi Fujiwara」こそが今、中井さんがプライベートで愛用する1本だ。
「旧い時計だろうと、新しい時計だろうと関係なく、なるべくフラットに選ぶようにしています。タグ・ホイヤーと藤原ヒロシさんとの限定モデル第1弾は、2018年の発売以来、かなりの頻度で着用していますね」。
中井さんがヘビロテする理由は、“洗練された佇まい”と“現代的な機能”にあるらしい。
「この時計の魅力は、1960年代の初代『カレラ』のデザインをベースに、藤原ヒロシさんの絶妙なアレンジで“どこにもない時計”に仕上がっているところです。
僕は大きすぎる時計が苦手なんですが、この39mm径のサイズはちょうどいいバランスに感じます」。
オリジナルのRef.2447は手巻きだったが、こちらは自動巻きに仕様を変更。その分だけケースも厚くなっているが、「あまり気にならない」と言う。それよりも……
「“服を選ばないデザイン”というのは、時計の使いやすさに直結すると思っているんです。シーンに応じて時計を使い分けるのもいいですが、僕はこの1本でだいたい事足ります。
そして、ヴィンテージ時計は水が大敵なので少なからず気を遣う必要がありますが、防水性にも優れるコレなら気兼ねなく着用できる。オリジナルだとこうはいきませんから(笑)」。
ヴィンテージウォッチの弱点をカバーしつつ、スタイリッシュな佇まいを持つ1本は、中井さんのスタンダードとなりつつあるようだ。
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