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今は、LACを仕掛ける側に⁉︎

さて、掛川での試みについてである。
長濱さんは2019年末から地域のNPOに参加しているが、それは空き家対策を目的とするもの。だから地元の空き家に関する情報に詳しい。また自身がゲストハウスを運営しているという経験もある。
そのため、掛川でLACを展開したいと思うようになった。あとは採算を含めた具体的な事業計画の作成。提案が受け入れられれば、プロジェクトは本格的に始動する。
長濱さん(前列中央)発信で催した「新しい働き方LAB合宿」。自身の知見を共有して、より自由な生き方を求める人たちをサポート。
「働き方の選択肢の少なさは地方の現状ですが、そこは伸び代でもあると感じます。選択肢を広げるために、まずはいろいろな働き方をしている人たちに来てもらう。その人たちと、子供を含めた掛川の人たちが触れ合う。視野を広げられる環境が大切で、LAC掛川はその拠点にしたいと思っています」。
“いろいろな働き方をしている人たち”とは、長濱さんがLACで出会ってきたような人たちだ。彼らと出会い、何より長濱さん自身がマインドチェンジできた。
掛川に戻った際には農的な暮らしを求めた長濱さん。今はお茶摘みなど畑仕事にも精を出している。
今度は同様の化学反応を地元に起こし、自分のように楽しく暮らす人を増やし、地元が楽しい場所になっていけばいいと考える。自分の住んでいる場所が楽しくなれば自分も楽しい。そう考える。
「リビングエニウェアコモンズ(LAC)」
あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所で、やりたいことをして暮らす生き方を実践するための“コミュニティ”。現在、会津磐梯、伊豆下田、岩手県の遠野など日本全国5カ所に展開する(詳しくはHPを参照)。いずれもWi-Fi環境や電源などを完備したワークスペースと、長期滞在を可能にしたレジデンススペースからなる複合施設だ。2020年中には計10カ所のオープンを目指している。
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「“職遊融合”時代のリアルライフ」とは……
モーレツ社員が礼讃された高度成長期から、ライフワークバランスが重視される2000年代へ。そして今、ワーク(職)とライフ(遊)はより密接となり、「そもそも区別しない」生活が始まった。ワーケーションなどのサービスも充実し、職場の常識も変わり、身の回りに新しい暮らしを実践する仲間も増えてきた。さて、あなたはどう生きる?
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小山内 隆=取材・文


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