ランナーならではのコミュニティが心地よい
そもそもランニングをしていなかったら、東京で満員電車に揺られていたまま、飲食業を目指すこともなかったはずです、と郡山とさんは笑う。
「さっきも言いましたけど、走ってなかったら普通のサラリーマン職じゃない人と知り合う機会もごく限られていたでしょうし、自分のお店を持つなんてことにはならなかったと思います」。
エイドキッチンは先日3周年を迎え、ランニングやヨガと食を絡めたイベントを朝・昼・晩と行ったばかり。人生が180度変わって、おまけに心身ともにヘルシーになれるなんて、画に描いたようなウマい話だ。いいことづくめのランニングだけど、どう向き合えば長く続けられるのだろうか。
「よき友人と出会うこと、でしょうか。ランナーって走っているときは基本的に孤独なんですけど、共有できることが多いんですよね。走って汗をかいた後のビールはどんなビールよりもウマい! とか。ランナー同士ならすぐ意気投合できる関係性が醍醐味だと思っているので、一緒に走ったり、あーだこーだ言い合える仲間はとても重要です。
まだまだ仕事が忙しくって起業前ほど走る時間が取れていませんが、毎週水曜日の夜にランニングチームの仲間と強度の高いトレーニングに取り組んでいます。友人がいて、一緒に何かを目指すことが楽しいから走れるんです」。
ランナーならではのコミュニティは、多くの先輩ランナーにとって走るモチベーションであり、むしろこのコミュニティ自体が走ることの魅力にもなる。仕事抜きの人間関係に出会いたかったら、そしてあなたが走ることに興味があるならば、エイドキッチンのようなコミュニティのハブになる場を探してみるといいのかも。
RUNNER’S FILE 23 氏名:郡山総平 年齢:43歳(1977年生まれ) 仕事:エイドキッチン オーナーシェフ/アスリートフードマイスター 走る頻度:週2回、1〜1.5時間 記録:フルマラソン3時間17分、100マイルレース完走など |
「Running Up-Date」ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 連載「Running Up-Date」一覧へ礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真