史上初のシャンパーニュ超え! その味は……
ナイティンバーは英国南部のウェスト・サックス州に拠点を置くスパークリングワイン専門のワインメーカーだ。
’06年に現オーナーがエステートを買収し、翌年には女性醸造家のシェリー・スプリッグス夫妻がワイン作りに参画。これまで数々の受賞歴を誇り、ここ数年は「最上級のシャンパーニュに匹敵する」と称賛されていた。
そして2018年には、世界最高権威とされるワイン・コンペティション「IWC」で、シャンパーニュ地区以外で初、かつ女性として初となる「スパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。「シャンパーニュに匹敵する」どころか、シャンパーニュの天下だったスパークリングワイン界で頂点を獲り、その実力を世界中に知らしめたのだ。
実際にワインを開けてみよう。この日選んだのは、ナイティンバーを代表する「クラシック・キュヴェ・マルチヴィンテージ」。色は美しいゴールドで、立ち上る繊細な泡が目を引く。香りはベーカリーを思わせるトースト香やスパイスなど、複雑なアロマが際立つ印象だ。
味わいはフレッシュでながら焼きリンゴや蜂蜜、アーモンドのふくよかなフレーバーも感じる。上品で余韻が長く続く、エレガントを極めた一杯である。
使用しているブドウ品種はすべて自社農園で育てたシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種。シャンパンと同じ瓶内二次発酵で、時間をかけて熟成させているそうだ。
ペアリングはスモークサーモンや貝類と相性がよく、カナッペやパテなどの軽食にも合うという。また、薄いクラッカーやクリスピー生地も繊細な泡と好相性で、この日ペアリングした「鯖とクリームチーズのパテ」も、濃厚なパテと軽快なクラッカーがナイティンバーの芳醇な旨味と絶妙にマッチした。
逆に、スパイスが強めの食事とのペアリングは避けたほうがいいらしい。
それらしく長々と語ったが、要するに「めちゃくちゃ美味い」のひと言に尽きる。シャンパーニュ以外の地からこれほど上質なスパークリングワインが出てきたとは、IWCの審査員たちはさぞ驚いたに違いない。
ナイティンバーは現在、「クリスマス・ギフト・ボックス2020」を数量限定で発売中。デザインは英国人イラストレーター、オリー・マックスウェルが手掛けた。イルミネーションに包まれたロンドンの情景は鮮やかで賑やか。寒いはずなのに、どこか暖かみさえ感じられる。この時季のギフトにも最適だ。
「ワインを飲む楽しみの半分は、ワインについて語ることにある」という格言が欧州にはあるらしい。これまでほぼノーマークだったイギリスワインが下剋上を果たしたのは実に痛快だし、そのサクセスストーリーは会話にも花を咲かせてくれるだろう。
今年は世界中が未曾有の危機に直面し、来年の見通しも未だ不透明。それでもホリデーシーズンは今年もやってくる。日々の不安もストレスも、今は極上の英国産スパークリングワインと一緒に飲み干してしまおう。
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