普遍のアイコンが、よりスポーティに
タグ・ホイヤーの代表作である「モナコ」は、1969年のデビューの時点で“世界初の角型防水時計”であると同時に、“世界初の自動巻きクロノグラフ”という2つの快挙を達成した。
その反面、アヴァンギャルドなデザインは物議を醸し、発売当時はヒットには程遠い状況だったという。
転機となったのは、1971年の映画『栄光のル・マン』の公開である。主演のスティーブ・マックイーンが劇中で着用したことで「モナコ」の知名度は飛躍的に上がり、爆発的なヒットへと繋がった。
ちなみに、今年の12月にニューヨークで開催されるフィリップスのオークションでは、マックイーン本人が保管していた個体が出品される予定で、早くも世界中の時計愛好家から注目を集めている。
さて、本題に入ろう。「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」は、「モナコ」としては20年ぶりにブレスレットを採用したモデルにあたる。
タグ・ホイヤー ミュージアムに保管されている1970年初頭の「モナコ」から着想を得たH字型のブレスレットは、レトロな雰囲気のみならず、装着感にとことんこだわった。
具体的なポイントを挙げると、根幹のデザインは崩さずに、負荷が強いラグはより太く、ブレスレットの幅を若干細くしたりと微細なアレンジを施している。
こうして生まれた新しい「モナコ」は、スポーツウォッチとして存在感を高め、タイムレスな輝きを放っている。
[問い合わせ]LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー03-5635-7054戸叶庸之=文