クラス唯一のディーゼルやMT。人馬一体にこだわるマツダ
マツダ「CX-3」
2015年にこのクラス唯一となるディーゼル搭載車としてリリースされたのが「CX-3」だ。
ハイブリッドシステムのない同社が、生き残りをかけて開発したクリーンディーゼルエンジンを搭載したスモールSUVだ。
2017年には2Lの、2020年には1.5Lのガソリンエンジンモデルも追加されているが、ガソリン車はいずれも6速ATのみ、ディーゼル車は全グレードに6速MTが用意されているのは「人馬一体」の走りを掲げるマツダならではだ。
「CX-3」が搭載する1.5LディーゼルエンジンのWLTCモード燃費は、6速ATが20.0km/L、6速MTが23.2km/L(いずれも2WD)。やはりディーゼルのほうが1.5Lガソリン車の17.0km/L(6速ATの2WD)よりも燃費がいい。
「CX-3」のもうひとつの魅力は、インテリアの質感にある。
通常グレードでも実際に見れば質感の高さがわかるはずだが、やはり分かりやすいのは、本革シート等を備えた上級グレードだろう。このクラスの国産車に本革シートが採用されるのは極めて珍しい。
4WDシステムは、前輪が滑ると後輪が駆動するタイプだが、27ものセンサーを使って前輪がスリップする予兆を検知し、滑るのと同時に後輪を適切に駆動させるという、実はなかなか凝ったシステム。
小さいながらも隅々までマツダの“人馬一体”へのこだわりが詰まった一台だ。
「小は大を兼ねる! スモールSUVの世界」とは……
かつてメルセデス・ベンツがコンパクトクラスと冠した「190」の全長は4430mm。つまり、これより小さい車は“スモール”と呼んでいいと思う。日本の狭い道路もスイスイ行けるし、燃費も良好。そんなスモールサイズのSUVは、等身大で乗りたい車の代表格だ。
上に戻る 籠島康弘=文