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ブランド名の由来である、アルミ製品にこだわる

トランギア
アルミ製品は全てスウェーデンの自社工場で生産されている。
トランギアに話しを戻そう。
アウトドア需要が高まる中で彼らが目をつけたのは、加工がしやすく、さまざまなメリットを持つアルミニウムだった。
まず、アルミの持つ強靭さ、そして軽さはアウトドアにおいて大きなメリットになることは言わずもがな。さらに熱伝導率が高く、熱を素早く均等に伝えられることにも着目して、製品の開発が進められた。
一時、10年ほどチタン製品を作っていた時期もあるが、現在は特徴の異なる加工を施したアルミを数種類使い分けているとのこと。
ちなみにブランド名の「トランギア」とは、スウェーデンの村の名前とアルミニウムを繋ぎ合わせた造語である。
トランギア
初期のキャンピングセットを見ると、現行品と若干形が違うが、すでにコンパクトに収納できる仕組みは出来上がっていたことがわかる。
アルミを採用した同社の代表的なモデルといえば、1951年に誕生した「ストームクッカー」だろう。
アルコールストーブ、風防、クッカーがひとつに小さくまとめられるクッキングセットで、寒冷なスウェーデンのアウトドアにおいても効率良く調理ができる仕組みを採用したロングセラー商品である。
このセットに組み込まれたアルコールストーブも代表作のひとつで、スウェーデン軍の装備にも採用されている。
トランギア
ストームクッカーは、アルコールバーナーの火力を最大限に引き出す設計になっている。詳しくは後編にて。
近年のヒット作といえば、「メスティン」。メスティンとは商標ではなく、現地の言葉で「食事用の缶」を意味する言葉なのだそう。誕生当時は四角く成型することが技術的に難しかったため、丸い形のアルミ製クッカーだった。
日本ではキャンプで調理道具として使われているが、現地では食材を潰さずに持ち運んだりするためのフードコンテナやランチボックスとして使われることが多いようだ。
トランギア
メスティンに取っ手を付ける作業は、機械ではなく、今も職人の手によって行われている。


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