「自転車ライフ 2.0」とは…… 店頭に並ぶ魅力的な自転車の数々にはついウットリしてしまうが、現実問題として忘れちゃいけないこともある。
これまでに紹介した
クロスバイクや
グラベルロード、
MTBを見て、何か気付かなかっただろうか? そう、ママチャリでは初期装備だったベルもライトもスタンドも、一切付いていないのだ!
初期装備だけで運転すれば、法律違反になりかねないし、安全面でも危険極まりない。自転車購入時に一気に揃えるべし!
| 話を聞いたのは… 大澤知秦さん ワイズロード屈指の自転車愛を持つ男。現在乗っている愛機は、ロードバイクが『オルベア』のオルカ、グラベルロードバイクが『ボムトラック』のフック2。 |
ライト、ベル、カギは自転車界の「三種の神器」
こちらは、
「すべて5万円台。専門家が選ぶクロスバイクのエントリーモデル5選」で紹介したジャイアントの名機、エスケープR3。手に入れたからには、すぐにでもペダルを回したいと思うのが人間のサガである。
しかし、ある“必需品”が付いていないため、すぐさま公道を走ることはできない。
「初めてスポーツバイクなどを買われる方は見落としがちですが、ライト、ベル、カギは、基本的には付属していません。ですので、自転車とセットで購入することをオススメします。特に、ライトやベルは法律上、義務付けられていますので、忘れずに購入してください」。
ということで、今回は、自転車購入時のマスト・バイ・アイテム、そしてあると便利なギアなど、厳選5アイテムを紹介。すべて揃えても1万円以下というコスパの高さにも注目せよ。
USB充電式? 乾電池式? ライトの正解は……
「夜間は必ず前照灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」――道路交通法の関連条文に、そう記載がある。
よって、フロントやリアには、ライトを取り付けなければ夜間に走行することはできない(リア部は反射板で対応することも可能。あの“赤いヤツ”ね)。そのライトは、大きく分けてUSB充電式と乾電池式に分けられるらしい。
「前者は後者に比べ、もっとも明るいモードの場合で5倍ほど明るいのですが、その分、稼働時間が短くなってしまうので、こまめな充電が必要です。だいたい通常モードで5時間ほど、フラッシュ(点滅モード)にすると7時間ほどが平均でしょうか。
乾電池式の場合は、USB充電式よりも安価で、常時点灯で30時間ぐらいは持つものが多いですね。明るさは控えめですが、長持ちします。乾電池はコンビニでも手軽に買えるため、ライトが切れたとしてもすぐに復活させられるのもメリットといえるでしょう」。
写真の「キャットアイ」の電池式はビギナーにも大人気で、街で使っている人もとても多いそう。ちなみに、自転車から離れるときは、取り外さないと盗まれてしまうので要注意!
ベルは小振りで目立たせず、クールに
ベルは、車のクラクション同様、むやみやたらに鳴らしてはいけない。とはいえ、「警笛鳴らせ」「警笛区間」といった標識がある場所では鳴らす必要があるため、確実に付けなければならないパーツでもある。
「音の大きさか、デザインか、それともサイズか。どこを重視するかは人それぞれなので、まずは希望をスタッフに伝えてみてください」。
そして、何を選ぶかも重要だが、どこに取り付けるかも判断基準になると大澤さん。
「ハンドル脇に付いている印象があると思いますが、実は、場所は定められていません。取り付ける場所は比較的自由です。ハンドル脇に付けると格好悪いという人もいるので、ハンドルの根元につけて目立たなくさせる人も多いですね」。
愛する自転車を守るガーディアン
鍵の種類もさまざまだが、
大別すると2種類。鍵で開閉する鍵付きワイヤー錠と暗証番号によって開閉するダイヤルワイヤー錠だ。「考え方は人それぞれですが、個人的には、強度だけでいうと鍵付きワイヤー錠をオススメします。鍵でしか開けられないのは大きいですし、シリンダー自体も強度が高いので、壊れにくいというのはありますね。
その代わり、鍵をなくしちゃうとアウトなので、紛失が不安であればダイヤル式を購入した方がいいかもしれません。ただし、さっと開けられるよう、ロックするときにダイヤルを一個しかズラさない人も多いんですね。そうすると、すぐ盗まれてしまう危険性もあるのでご注意ください」。
あると便利なスタンド。付けるか否はアナタ次第
スポーツバイクには、自転車スタンドも初期装備されていない。ママチャリ以来、自転車とはご無沙汰という人からすれば、なぜ? と思うだろう。スポーツバイクは基本的にシンプルで、車体を重くするようなパーツは最低限しか付いていないのだ。
「付ける義務もなりませんし、付けないほうがカッコいいと見る向きもあるのですが、やっぱりあったほうが便利であることは間違いありません(笑)。スタンドがないと、駐輪時に自転車を立てかける場所は探さないといけませんし、それはそれで億劫ですからね」。
道交法を遵守ぜよ。リアの反射板はマスト!
冒頭にも述べた通り、道路交通法では、自転車に反射板、もしくはライトの取り付けが義務付けられている。これに関してはデフォルトの状態で実装されているケースも多いが、もし付いていなければ取り付け必須なので、すぐに対応を。
「これがないと、夜間の走行は本当に危険です。特に黒い服を着るなど、視認性が悪ければ車に追突される危険性も増します。リア部分には必ず反射板、もしくはライトを付けましょう」。
「Y’s Road(ワイズロード)新宿クロスバイク館」 住所:東京都新宿区新宿2-19-1 BYGSビル B2F電話番号:03-5312-1485http://www.ysroad.net/ ママチャリ時代の常識もスポーツバイクでは非常識、なんてことはしばしば。だからこそ自分だけの1台にする楽しみもあるってワケだけど、ギア類はとにかく種類豊富で、セレクトに困ることも多い。
ここで紹介したアイテムはどれもコスパ、品質ともにワイズロードさんの合格点を取っているギアなので、大いに参考に!
「自転車ライフ 2.0」とは……環境や体型の変化だったり、身近な先輩の姿に憧れたり。ハマった理由は皆異れど、自転車にかける想いは誰もが強く、深い。自分好みへと仕様を変えた相棒と日々暮らす、同世代の自転車ライフをパパラッチ。
上に戻る 菊地 亮=取材・文