Day 6 WED.
妻のたくましさに思わず嫉妬してしまうんだ
「はい、大きく息を吸ってください〜!」。早朝から目覚まし代わりに聞こえてくる妻の高らかな声で目が覚めた。
妻のサチは、長らくヨガインストラクターをしている。インドでも修業をして現地で資格も取った筋金入りだ。半年前からZoomを使ったオンライン授業に切り替えて、コロナ禍を乗り切っている。
それでも、教室の運営自体は大変なようで、さらには、ユーチューバーとしての活動も視野に入れているらしい。我が伴侶ながらもたくましいことこのうえないと嫉妬の念さえ覚える。
見るからに難しそうなヨガのポーズを次々決めていくなか、妻と一瞬、目が合った。あれ、サックスブルーとライトインディゴを巧みに合わせてワントーンのグラデーションに仕上げたワンマイルスタイルがキマりすぎたか? いや、睨んでいるー‼︎ 画面に思いっきり映り込んでしまっていたんだ。そこどけ、という顔だったのか。
慌てて階下に向かうも、『旦那さま、ステキ♡』などと噂になっていないものかと妄想。ともあれ、結婚しても自分と妻は別々の存在だと感じずにはいられない。いやいや、妻も機転を利かせてこの難局を凌いでいるのだ、マーシーにできないはずはない!
着回しアイテム【9】「ストーンアイランド」のパーカ縫製後に染色を施したサックスブルーが、起毛させたスウェット地に映える。裏パイルの肌触りも良好。3万9000円/ストーンアイランド 03-5860-8360
【14】「リーバイス ビンテージ クロージング」のデニムライトインディゴが海男的な、’80年代初頭のリーバイス501復刻版。ノンセルビッジモデルの先駆け。2万8000円/リーバイス ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)
遠藤優貴(MOUSTACHE)=写真(人物) 清水健吾=写真(静物) 菊池陽之介、中里真理子=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク 髙村将司=文 大関祐詞=編集・文 UTUWA/AWABEES、3D クロージング ストア=撮影協力