ロロ・ピアーナがほかのブランドと決定的に違うのは、出自が毛織物のサプライヤー(供給元)という点だ。
創業は1800年代初頭にまで遡り、1920年代以降は高級ウールとカシミヤのサプライヤーとしてヨーロッパで確固たる地位を築く。
現在では貴重なベビーカシミヤ、アンデス産のビキューナ(ラクダの一種)といった超高級素材を世界中のブランドに提供する唯一無二の存在であり、ラグジュアリーな服を自ら作り出すメーカーでもある、というわけだ。
グルメでいえばあらゆる食材に精通する腕利きシェフといったところ。ならば今年東京・銀座にオープンした旗艦店は、さしずめ旬の食材を用いた料理を楽しむリストランテか。
そこでは今後、ファッションディレクターの小木“Poggy”基史さんとコラボレーションした新ラインも供されるという。
今季何かと目が離せないロロ・ピアーナであるが、その“ひと皿”が素晴らしいのはとりもなおさず素材の素晴らしさにある、と再認識した次第。
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