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2つの世界を行き来するからこそ手に入れること

すべては波乗りのために。そしてすべては波乗りから。そうやって手に入れた二足のわらじを、中村さんは現在ちょうど半々ずつくらいの割合で履き替えているそうだ。
ではその二足のわらじの履きこなし方は?

「撮影の仕事を始めて、いろいろな街へ行き、いろいろなものを見ることができることは、インテリアデザインの仕事に役立っていると思います。何より、2つの仕事を行き来することで、すごくいい気分転換になるんです。
建築の仕事でしばらく同じ現場にずっとこもってモノ創りしていると、どこかに行きたくなるわけです。そうすると撮影の仕事が入って、作る仕事へのモチベーションが上がる。もちろん、その逆もあります。大きな景色の中で撮影していると、モノ創りしたいなあ……と無性に思ったりする(笑)。
大変なのはスケジュール管理くらい。だから今はもう、仕事がどちらかひとつというのは考えられないですね」。
中村さんが手に入れたのは、サーフィンという生き方を叶えるための、二足のわらじ。その履きこなし方は、実に自然体だった。
プロフィール
中村豪(なかむらごう)●1975年神奈川県鎌倉市生まれ。サーフィンを生活の中心に据えたライフスタイルを送る、インテリアデザイナー/ドローングラファー。株式会社nadaの代表として店舗や住宅の設計設備を手がける傍ら、メディアや行政などさまざまな業界から依頼を受けて、ドローン撮影を行う。2018年には大河ドラマ「西郷どん」のオープニング撮影と劇中撮影を手がけ、オープニング制作を担ったメンバーとクリエーター集団「L.S.W.F(リンクhttps://www.lswf.co/)」を立ち上げる。
「37.5歳の人生スナップ」
もうすぐ人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。鬱屈した思いを抱えているなら、彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。上に戻る
取材・文=川瀬佐千子 写真=中山文子


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