「分からない」を包み隠さず聞く、教えてもらう
趣味で飛ばしている間に磨いた操縦技術には自信があった。そしてカメラについては、もともと写真を撮っていて基本的な知識はあったものの、仕事で撮影を重ねながら、知識やノウハウを学んでいったという。
「一緒に現場に入ったカメラマンの方にずいぶん教えてもらいました。天気によっての設定やレンズのこと、分からないことは包み隠さず聞いていました。そこでカッコつけてもしかたないですから」。
そしてドローン撮影が広まりいろいろな人が始めると同時に、規制も始まった。簡単には飛ばせなくなったし、誰でもは撮影できなくなった。
しかしそれも、いち早く仕事として始めて、国土交通省の撮影許可証も早くに取得していた中村さんにとっては、障壁にならなかった。

「僕は全域の許可証を持っています。これを取得した当時、この許可証はNHKとフジテレビと僕しか持ってなかったんですよ。今、新規に取得するのは結構大変だと思います」。
そして2018年には、大きな仕事を手掛けることになる。
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後編に続くプロフィール中村豪(なかむらごう)●1975年神奈川県鎌倉市生まれ。サーフィンを生活の中心に据えたライフスタイルを送る、インテリアデザイナー/ドローングラファー。株式会社nadaの代表として店舗や住宅の設計設備を手がける傍ら、メディアや行政などさまざまな業界から依頼を受けて、ドローン撮影を行う。2018年には大河ドラマ「西郷どん」のオープニング撮影と劇中撮影を手がけ、オープニング制作を担ったメンバーとクリエーター集団
「L.S.W.F」を立ち上げる。
「37.5歳の人生スナップ」もうすぐ人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。鬱屈した思いを抱えているなら、彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。
上に戻る 川瀬佐千子=取材・文 中山文子=写真