「ダイエットのモチベアップ術」とは……“健康総合企業”タニタを語るうえで欠かせない3つのコト。それはこれまでお伝えしてきた「
体組成計」と「
タニタ食堂」、そして今回紹介する「タニタ健康プログラム」だ。
2008年に就任した新社長のもと、「メタボ社員ゼロ」を目指してタニタ独自のプログラムを導入。全社員が実践することで、健康意識の向上と医療費の適正化を実現した。
さまざまな企業や地方自治体に採用されているそのプログラムには、ダイエットのモチベーションを高める手掛かりが秘められていた。
話を聞いたのはこの人!
丹羽隆史(にわたかし)●株式会社タニタの取締役ならびにウェブのシステムやソフトウェアの開発・販売などを行う株式会社タニタヘルスリンクの取締役会長を務める。ほかにも、これまでに経済産業省が設置した「次世代ヘルスケア産業協議会」の健康投資WG委員、現在は群馬県総合計画策定懇談会委員に就いている。
PDCAサイクルを回して健康管理
タニタが健康プログラムを導入したのは、2008年。特定健康診査や特定保健指導がスタートし、生活習慣病予備軍としてのメタボリックシンドロームに注目が集まった年だ。
「当時、社長に就任したばかりの谷田千里が社内を見渡したとき、メタボ候補とおぼしき社員が目につき、『まずは社員みんなが健康になろう!』ということで、このプログラムが誕生しました」。
プログラムの核となるのがPDCAサイクル。タニタでは「はかる」「わかる」「きづく」「かわる」という4つの要素を回すことで健康管理を行っている。
「健康的な体づくりには、食事、休養、運動の3要素がバランスよく取れていることが重要です。そのためには、まず体組成計やアプリなどを使って、体重や体脂肪率といった体の変化を可視化します。自分の現在地を知り、健康のためには何が必要かに気付くことで、“かわる”ためのアクションに繋げていきます」。
社内にはプロフェッショナル仕様の体組成計や血圧計を複数設置。データはすべてインターネット上の専用サーバへ送られるようにしており、2週間以上計測ができていない場合は、警告のメールが届くシステムになっているという。
「さらに社員全員には、1日の歩数や総消費カロリーがわかる『活動量計』を配布しています。そのデータも専用のサーバに転送され、個人のパソコンやスマートフォンで体組成情報や血圧情報とともに記録を確認できます。
活動量計には社員証としての機能も付与しました。これがないとオフィスへの出入りができないため、常に携帯してもらうことで“健康への意識”を喚起しています」。
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