陸上は、白黒はっきり勝負が決まるのが面白い
今も毎朝10km走っているという榎木さん。「走ること」そして「競技」への情熱の原点はなんだったのだろうか?
もともと子供の頃にやっていたのは剣道。そのトレーニングとして取り組んでいたのがランニングだった。初めは、一緒に剣道をやっていた兄と競って走るのが楽しかったという。
そのうちに、小学校の長距離走で勝てるようになってきた。そうすると勝てる喜びだけでなく、榎木少年は陸上競技の面白さも感じるようになっていった。
「剣道は審判の判定で勝負が決まりますが、走って勝つのは最初にゴールした人で、誰がみてもその勝負は明らか。それが面白いと思ったんですね。それに剣道と違って、シューズは必要ですが、身体ひとつでやれるのもいいな、と思った。それで、中学に上がるタイミングで剣道をやめて、陸上部に入りました」。
陸上部には、ほかの小学校から足の速い子が集まってきていた。みんな小学校時代に同じ大会で勝負を競っていたメンバーだった。
「それで、みんなで駅伝をやろうということになったんです。中学2年のときに県大会で優勝して九州大会に出場し、九州大会でも優勝しました」。
走る楽しさ、そして走って勝つ面白さに目覚めた少年が、駅伝という競技にドボンとハマった原体験がそこにあった。
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