OCEANS

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——世代的に、アメカジへの愛着は抜けないですよね。
藤井 ただ、我々の世代ならば、必ず通過しているようなアメリカ的な要素はないけれど、そこはかとないエレガンスを感じるのが、ドリス ヴァン ノッテン。
「ドリス ヴァン ノッテン」のニット。1980年代初めのパンク・ロックのスタイルを鮮やかなサックスブルーに染め上げたヴァージンウールのチルデンニットで表現。「長く着るには、ブランドの背景への共感も大事」(種市)としたモノ選びにもかなう一着といえる。8万6000円/ドリス ヴァン ノッテン 03-6820-8104
橋本 わかる(笑)。ドリスのニットは昔から好きです。ただここには今でいうストリートやアメリカというフィルターはないですよね。
種市 ミラノのセレクトショップなどのセールで見かけると、デイリーな無地ニットを買っちゃいますよ。でもよく見ると、編み地が変則的だったりして、細部が詰められているのが好き。
——シンプルでヒネリも利いている。これは大人のエレガンスに欠かせなさそうです。
藤井 ブランドロゴが強調されているよりは、アノニマスなほうが好き。
種市 マルジェラのステッチは、すごい発明だよね。
「メゾン マルジェラ」のニット。首元のステッチとレザーのエルボーパッチで、シンプルさの中にエレガンスを宿す、ウールのハイゲージニット。「マルジェラを選ぶ人には、簡単に真似できない独特の感性を持っている人が多い気がします。それは時代が変わってもブレない」(藤井)。6万2000円/メゾン マルジェラ(メゾン マルジェラ トウキョウ 03-5725-2414)
藤井 大枚をはたく価値がありますね。モノがいいのはもちろんありますけど。前から見たら普通の人だけど、ステッチを見て「あ」ってなる。その瞬間好印象を抱くから不思議。
——嫌らしくない程度にわかるブランド性。そのさじ加減は難しそうですね。
2011-068
「ジル サンダー」のジャケット
「ジル サンダー」のジャケット
伝統的なテーラリングに独特の解釈を施して新たな面を引き出すことに長けるルーシー&ルーク・メイヤー。ウールギャバジンや後ろ身頃のみのラグランスリーブ、胸ポケを端正な顔に再構成したシャツジャケットでは、遊びと洗練が程良くミックスする。20万円/ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー(ジル サンダージャパン 0120-919-256)
「キャプテン サンシャイン」のシャツ
「キャプテン サンシャイン」のシャツ
ディレクター、児島晋輔のヴィンテージ服に対する深い造詣に基づいて作り込まれたウェアが人気。身幅を広めに設定したCPOシャツは、中太畝の9ウェルコーデュロイを採用し、シープスキンのエルボーパッチとともに温かみをもたらす。3万9000円/キャプテン サンシャイン 03-6277-2193
「リーバイス ビンテージ クロージング」のデニム
「リーバイス ビンテージ クロージング」のデニム
1966年から’71年に発売された、“ビッグE”のレッドタブとリベット代わりのバータック仕様の「1966 501︎」復刻版。毛羽立ちのない12.5ozデニム地やテーパードシルエットが持ち味。「洗っていくことで味が出てくるものが、自分にとっては飽きない服」(藤井)。2万8000円/リーバイス ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)
「ニードルズ」のパンツ
「ニードルズ」のパンツ
「お洒落ジャージとして世界の洒落者から種さんまで魅了したアイコン(笑)。どのタイプを選ぶかが個性の分かれ目でしょう」(藤井)。インラインの3本は、左から、マットなナロー、ベロアのナロー、光沢素材のストレートをピックアップ。左から2万1000円、2万4000円、2万3000円/すべてニードルズ(ネペンテス 03-3400-7227)
「アワー レガシー」のTシャツ
「アワー レガシー」のTシャツ
「もっとラインナップを見てみたいお気に入りのブランド」(橋本)と評するスウェディッシュ発のブランド。事件現場に残された痕跡などを落とし込んだという個性的なコレクションには、ピグメントダイのTシャツやリネン100%のカットソーを揃える。各3万円/アワー レガシー(エドストローム オフィス 03-6427-5901)
「ジル サンダー」のジャケット
「キャプテン サンシャイン」のシャツ
「リーバイス ビンテージ クロージング」のデニム
「ニードルズ」のパンツ
「アワー レガシー」のTシャツ

恩田拓治=写真(取材) 竹内一将(STHU)、鈴木泰之=写真(静物) 増田海治郎、大西陽子、髙村将司、菊地 亮、秦 大輔、増山直樹=文 長谷川茂雄=編集・文

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