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2020.10.20

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「コロナに気付かされた点もある」エースホテル京都の総支配人が目指す先

シアトルに誕生して約20年。ホテルの“当たり前”を覆し続けてきた「エースホテル」が、アジア初の場所として選んだのは京都である。
今年オープンし、現在は「土地に根差したホテル」を模索している真っ最中だ。
エースホテル京都 総支配人 ニコラス=ジェームス・ブラック 氏
エースホテル京都 総支配人 ニコラス=ジェームス・ブラック 氏
1980年、フランス生まれ。16歳のときにアメリカに移住。フロリダ国際大学にてホテル経営を学んだのち、アコーホテルズグループのホテルブランド「ソフィテル」へ。マリオット・インターナショナルの「ル・メリディアン」を経て、2018年、エースホテルに入社。「誰かの人生にポジティブなインパクトを与えること」が人生の目標だとか。
Brand Profile
1999年、米シアトルにて創業。宿泊者だけではなく地元コミュニティとの結びつきを重視し、ホテルの新たな価値を提示してきた先駆者的存在。その先進的なインテリアデザイン、アート、音楽によって世界中のホテル好きを魅了している。現在アメリカ8都市、ロンドン、京都に展開。2020年中にはカナダ・トロントにもオープンの予定。

その街の歴史と、地元のつながりが最も大事

デニムジャケットに丸襟のシャツ、足元はヴァンズ。ニコラス=ジェームス・ブラック氏は、僕らが想像するホテルの支配人とはかけ離れたイメージの人物だ。
お洒落でフレンドリーで、どこかカルチャーの匂いがする。既存のホテルとエースホテルとの違いを、そのまま表しているかのようだ。
エースホテル 京都新風館
こちらは保存棟に位置する「エーススイート」(78㎡)。ダイニングバー、リビングエリア、ベッドルームという構成の広々とした部屋である。ミッドセンチュリースタイルのソファやテーブルなどを備えた、モダンなインテリアが特徴。
「開業準備のために京都に来たのは1年半前のこと。それまでは5年ほどLAに住んでいました」。
ではLAが地元なのかと聞くと、日本語で「いいえ、私は“地球人”です」と言ってにっこり笑う。ヨーロッパ、アメリカ、日本などさまざまな土地で暮らしてきたブラック氏。そのコスモポリタンとしての視座もまた、エースホテルの理念とシンクロしている。
「私たちのホテルがユニークな理由は“画一的ではない”ことにあると思います。例えばシアトルとニューオーリンズのエースホテルでは、外装もレストランのテイストもまったく違う。
その街の歴史と地元のつながりを大切にしながら、さまざまな人々を迎え入れ、新たなカルチャーを発信していく。そんなホテルを目指しています」。
[上]宿泊者用のレンタル自転車。なんと漆塗りフレームというトーキョーバイクとのコラボモデル。[下]ロビーに置かれた浜名一憲の壺。その奥はギャラリースペースとなる。
地元出身のミュージシャンのイベントを開催したり、ローカルで活躍するデザイナーにロゴデザインを発注したり。ホテルという業種は、ブランディング的にも運営コスト的にも、サービスの統一が図られるのが常識だ。
だがそうした既成概念にとらわれることなく、地道な取り組みを通じて「土地に根差したホテルとは何か」を追求してきたのが、エースホテルというブランドなのである。


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