一石三鳥のSUV
そんなMINI版PHEVの面白いところは、エンジンが前輪を動かし、モーターが後輪を動かすという、完全な分業システムになっていること。
大容量バッテリーに貯めた電気により、モーターのみの力で最高速度125km/h、最大42.4km走ることができる。モーターは後輪に専念するので、EV走行時にはFR駆動の車として動いていることになる。
走行状況によりエンジンとモーターの配分を最適に制御して走行。エンジンのみのときはFF駆動で、エンジン+モーターの場合は4WDでと、「MINI クーパーS E クロスオーバー オール4」は、1台でFF、FR、4WDそれぞれの走りを楽しめる車なのだ。
力強さと愛らしさを兼ね備えたMINI クロスオーバーのデザインは、都市でも自然の中でも独特の存在感を放つ。
ディーゼルエンジンを搭載するMINI クーパーS Dと同じ意匠のフロントグリルは、MINIのポップな世界観に力強さを与えている。
ともにフロントドアの前方に配置された、助手席側の充電ポートと運転席側の給油口のカバーにはELECTRICの“E“をデザインしたイエローのバッジがさりげなくつく。
このバッジはバックドアやエンジンカバーにも。また、フロントグリル内の”S“という文字もイエローになる。
ちなみにこのイエローは、室内のデザインにも配されていて、それがインパネ中央に配置されたエンジンのスタートスイッチ。ちなみにほかのMINIはここが赤なので、ちょっとした違いを楽しめる仕様だ。
MINIの世界観を感じつつも、ほかのクロスオーバーとはちょっと違う。そんな優越感もPHEVオーナーだけが味わえる楽しみだ。
「MINI クーパーS E クロスオーバー オール4」の車両本体価格は508万円。スモールSUVとはいえ、ほかの輸入PHEVより価格がかなり安く設定されているのも魅力のひとつ。
MINIが好き、でも人はちょっと違うMINIがいい。そんなワガママな向きには、このPHEVで、MINIライフをスタートさせてみてはいかがだろうか。
高橋 満=文