シューズは走るコースの路面に合わせてチョイス
芝生や土の路面が混在するパークランが中心になってから、シューズ選びにも変化が訪れた。
「シューズもファーストチョイスはアシックスです。なかでもいちばんしっくりきているのがド定番の『ゲルカヤノ』。
最近は世田谷の砧公園の非舗装路をよく走っているのですが、雨上がりの日にこのシューズで走ったら滑ってドロだらけになってしまったんですよね。そこで、ニューバランスのトレイルランニングシューズを引っ張り出してみました」。
「ゴアテックスを搭載した『MT610GT』というモデルで、雨の日の通勤用としてだいぶ前に購入していたもの。
トレイルラン向けとあってパークランのシチュエーションには最適で、全然滑りませんし、ぬかるみや汚れも気になりません。ちなみに夏場はホカ オネオネのサンダルで走る日もありましたよ」。
と、あくまでラフなスタイルで気軽なランをたしなんでいる。気軽といえば、西野さんはランニングウォッチの類を使用しない。
「普段から時計はしないんですよね。アクセサリー類もそうなのですが、なんだか気が散ってしまうので。走るときもあまり時間は気にしないほうだと思います。
ペースもキロ6分以上ですし。フルマラソンを目指していた頃、コーチに『ゆっくり走らないと最後まで走りきれない』とアドバイスされてから、走るペースを気にしなくなりました。でも、帰宅したときにトータルで何分くらい走ったかは気になりますよ。ボーッと走っていることが多いので、どれくらい経っていたのかなあって(笑)」。
「その代わりスマートフォンは携行します。ひとつ失敗談がありまして、ある日走り終わってジュースを買おうと、ポケットに入れていた1000円札を探したところ、見つからないということがありまして。
子供は不機嫌になるし、汗もダラダラ、でもやっぱり見つからない。途中、スマートフォンを出し入れするときにでも落としてしまったのでしょう。それ以来、お金を持ち歩くときはポーチをするようになりました」。
サングラスはドイツブランド、マイキータの「NO1 イーストン」を愛用する。スポーツサングラスではないけれど、ノーズパッドとテンプル部がラバーになっているので「軽くて、これで十分」という。
「苦しそうな顔を他人見られるのが恥ずかしいんですよね。今はマスクランですし、そこでさらにサングラスを掛けていると表情がバレません。自分にとっては気楽に走れるんです」。
ご近所のパークランだからこそ、“近所のお出かけプラスアルファ”のスタイルで。ガチでタイムを狙うのならともかく、気軽なランニングであれば手持ちのアイテムをラン用として使ってみる。そんな遊び心はぜひともマネしたいところだ。
RUNNER’S FILE 18 氏名:西野大士 年齢:37歳(1983年生まれ) 仕事:にしのや ディレクター 走る頻度:週1~2回、6~8kmほど |
「Running Up-Date」ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 連載「Running Up-Date」一覧へ礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真