「趣味時計」とは……何事も本気で突き詰めればスゴみが出るし、誰も到達できない領域を見ることになる。そんな世界を見た3本の腕時計には、スゴすぎて笑っちゃうような機能が搭載されている。
これを無駄と笑うか、無限の可能性として面白がるか。圧倒的に後者が素敵じゃない?
317年で1秒しかズレない驚異の時計
ウルベルク「The AMC」
ゼンマイと歯車で駆動する機械式時計は、この先どのように未来の時を刻んでいくのだろう。ひとつの答えはここにあるのかもしれない。
80時間のパワーリザーブを備えた手巻き式だが、それは本来の機能の一部にしか過ぎない。ベースとなる重量約35kgのアルミケースに納まったクロックにドッキングすることで、日付の変わる1分前から日差を検知し同期するとともに、正確な歩度を司る緩急針自体も正確に調整する。さらにプッシュボタンでリュウズを巻き上げることもできる。
だが何よりも肝要はそのクロックが原子時計であることだ。
高精度な原子の周波数標準に基づき、より正確な時間を刻む原子時計は、いまや電波時計の精度を担い、GPS衛星にも搭載され正確な時刻情報を送っている。このクロックにしても変動は317年間に約1秒という精度を保証するという。
手巻きと原子のハイブリッドという発想は、人間が考案した時という概念について考えさせられ、自宅で向き合う時間は、知的好奇心を刺激してくれるだろう。
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