「ラジオ体操2.0」とは……「最近ゴルフの飛距離が伸びない」「ランニングを続けてもなかなか速く走れるようにならない」など、若い頃と比べてスポーツのパフォーマンスが向上しないことに悩む40代男性は少なくないはず。それは、全身の筋肉や関節の連動性の低下が原因かも。そこで今回は、錆び付いた全身の動きをスムーズにし、スポーツをもっと楽しめるようになるラジオ体操を紹介する。
【教えてくれる人】新田幸一さん高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。
ゴルフやランニングが上達しない原因とは?
-年齢を重ねても楽しめるスポーツとしてよく挙げられるものといえば、ゴルフとランニング。でも、楽しむだけならいいんですが、スコアやタイムを伸ばすっていうのは、歳とともに難しくなってきますよね。だから、負けず嫌いの人は途中で辞めちゃうなんて話もよく聞きます。新田 : それは大間違いですね。トレーニング次第で、いくつになっても身体機能は上がるし、運動パフォーマンスを向上させることもできるんですよ。50代から走り始めてフルマラソンにチャレンジし、3時間台で完走できたなんて人もたくさんいますしね。ゴルフも同じ。若い頃はどんなに頑張っても達成できなかった憧れのシングルプレイヤーに40代になってからなれたっていう人も多いですよ。
-でも、働き盛りの40代は、アスリートみたいにトレーニングする時間なんてんないですし。新田 : いやいや。そんなガッツリやる必要はないんです。大切なのは、トレーニングの内容。量より質ってことです。
-口で言うのは簡単だけど、量より質のトレーニングを行うって相当難しいですよね?新田 : そうでもありませんよ。それこそ、ラジオ体操なんて量より質のトレーニングの典型と言えますね。
-これまでは、どちらかといえば体の不調を改善とか、運動不足を解消する、みたいなことを主目的としてラジオ体操を紹介してきたわけですが。新田 : 不調の改善とパフォーマンスの向上って、ほぼ同義と考えていいんです。肩こりや猫背、腰痛って、スポーツパフォーマンスを低下させる最大要因でしょう? ゴルフであれば、猫背だとスイングフォームが悪くなって飛距離は伸びないし、ランニングならストライドが伸びないからスピードが上がらない。そもそも腰痛があったらプレイすらできないでしょ? 要は、パフォーマンスを上げたいなら、不調を治せってことです。
-ちなみに、ゴルフやランニングに限らず、スポーツパフォーマンスを上げるために「ここだけは鍛えるべき!」ってところはありますか?新田 :体幹ですね。それと「全身の連動性を高めること」も大切です。これまでも何度か解説してきましたが、体幹は樹木に例えると幹。幹がしっかりしてないと枝葉、すなわち四肢を支えることはできません。年齢に関係なく、体幹まわりの筋肉量を維持・強化しておくことは非常に大切です。加えて、全身の筋肉や関節が互いに連携して動けるようにしておくこと。これさえ押さえておけば、いくつになってもスポーツをそつなくこなせる体を維持できるはずです。
そこでおすすめなのが、今回紹介するラジオ体操、「体をねじる運動」と「片脚跳びとかけ足・足踏み運動」の組み合わせ。一般的な体幹トレーニングには、体幹を硬くしてほかの筋肉や関節との連動性が悪くなってしまう副作用があるんですが、その点をクリアして体幹を強化できるのが今回のエクササイズ最大の利点です。
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