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いざ!というときに自立できるようにオフグリッドを

八ヶ岳の麓にあるLAC八ヶ岳北杜の施設。周辺の自然環境は抜群だ。
八ヶ岳の麓にあるLAC八ヶ岳北杜の施設。周辺の環境は抜群だ。
自由に移動する暮らしから、ひとつの場所に根を下ろした暮らしへ。
ジョニーさん夫妻の生活は次のステージに入った。彼らが新しい拠点とするLAC八ヶ岳北杜は昨年7月にオープンしたばかり。東京から車で約2時間でアクセスできる山梨県北杜市にあり、保養所とボーリング場の跡地を活用したおよそ3000㎡という広大な敷地は進化の途中。
ジョニーさんは、屋外でも働けるワーク環境、オフグリッドキャンプの実装、物づくりしたい人が集う実験の場、などのビジョンを掲げ、これからの数年で実現したいと意気込む。
広大な敷地にはキャンプサイトもある。しかもWi-Fi環境が整っているため快適な“お外”で仕事ができるのだ。
確かに富士山や八ヶ岳連峰という雄大な景色を眺められる環境だけに、施設内で黙々と仕事に励むだけではもったいない。芝生の上やキャンプサイトのテントの中でも電源やWi-Fiに困らない環境を確保し、ここならではのワーケーション体験を提供したいと考える。
「オフグリッドはバンライフでの課題でもあって、エネルギー事情を含めて自立できるようにしたい。同じようにLAC八ヶ岳北杜もできるだけ社会的なインフラから解放された環境にしていきたいですね。衣食住、水や光熱などエネルギー含め、自分たちで暮らしを作れるようにしたいと思っています」。
バンの屋根にはソーラーパネルを設置して、エネルギーを自給しながらバンライフを送ってきた。
ジョニーさんのバンの屋根にはソーラーパネルが。エネルギーを自給しながらバンライフを送ってきた。同様にLAC八ヶ岳北杜でも2年を目安にエネルギー自給を目指す。
この点、はる奈さんは興味深い視点を教えてくれた。
「オフグリッド環境の良いところは、平時はインフラを利用しながらも有事の際には自立できる自分になれるといった、ある種の柔軟さを育めることにもあります。LAC八ヶ岳はそのためのショールームのような役割も担えたらと思っています」。
はる奈さんは長く会社員として、企業の危機管理や防災に関するコンサルタントを仕事にしてきた。やがて「企業も防災も人次第。人の意識を変えることは大切」と思って独立。今はフリーランスとして企業案件を受けつつも、個人に対して「有事のときに対応できる力」を高める仕組みを作りたいと模索している。
北杜市でも過去には台風による山腹崩壊などの自然災害があった。LAC八ヶ岳北杜では、有事のときでもシャワーが使えるなど、できるだけ困らない施設を目指す。
LAC八ヶ岳北杜の館内にあるコワーキングラウンジ。
「その力はレジリエンスと言うんですが、ロンドンの大学で危機管理のマネジメントを学んだ際、教授たちは日本の防災システムについてベタ褒めしたんです。
ただシステムが優秀すぎるから個人のレジリエンスが弱い。ヨーロッパはその逆で、システムが弱いから個人の力を高める必要性が生じる。日本は自然災害が多い国。多くの人がレジリエンスを高められるサポートをしていきたいんです」。
オフグリッド化されれば、施設は災害時にシェルターとなる。
防災と日常は結びつきづらい。そこをジョニーさん夫妻は結びつけようとしている。たとえば、有事に役立つポータブル電源をはじめ、オフグリッドでも使える最新で見た目も良いプロダクトやテクノロジーを普段から備え、軽やかに。


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