「“職遊融合”時代のリアルライフ」とは……職種、職場、ライフラインに縛られない新たな生き方を気付かせてくれるコミュニティ「
リビングエニウェアコモンズ(LAC)」。
“新しいつながり”を重視するこちらでは有機的なネットワークが自然発生し、メンバー同士で新たな企画やイベントを開催するケースも多い。それがビジネス創生の場にもなりつつある。
今回は7月にオープンしたばかりのLAC八ヶ岳北杜でプロデューサーを務める、“渡鳥ジョニー”こと池田秀紀さんが登場。地方移住やバンライフを送りながら“自分らしい暮らし”を見つめてきたジョニーさんが目指す、未来の八ヶ岳時間に迫る。
| PROFILE LAC八ヶ岳北杜プロデューサー 池田秀紀さん 1980年、千葉県生まれ。大学卒業後、フリーランスのウェブデザイナーに。東日本大震災後に熊本へ移住。「物技交換」など震災後の暮らし方を発信する。帰京後、都市型バンライフをスタート。また妻・はる奈さんはカメラマン、スタイリストとしても活動中。 |
明るい未来を求めて、ノマドに暮らせるバンを買う
今春にLAC八ヶ岳北杜のプロデューサーとなったジョニーさんは、それまでメルセデス・ベンツのバンで移動型の生活を送るなど、文字通りのノマドライフを送ってきた。
定住型のライフスタイルはリスクが高い。そう感じた背景には、ロストジェネレーション世代として、慶應義塾大学へ進学するも常々「未来は闇ばかりだな」と思っていたことにある。
バブル崩壊は小学生のとき。そして就職活動戦線は氷河期。就活はするものの、満員電車での通勤や、会社員になったらきっと住むのだろう没個性的な住まいでの暮らしに疑問を抱いた。結果、戦線から早々に離脱。
仕事は、大学在学中に独学でウェブデザインを学んでいたことからフリーランスのウェブデザイナーに。しかし居住コストの高さなどから、いつか都心暮らしから距離を置こうと考えていた。それを実行に移すことになったきっかけは東日本大震災だ。
発生3カ月後の6月には都市一極集中ではない暮らしを求めて熊本へ移住。古民家を改築したり、お金を介さない“物技交換”をしながら、のちに札幌にも移り住むなど地方での暮らしを約7年間楽しんだ。
私用のため東京に戻ったのは2年程前。暮らしに対する疑問は相変わらず抱いたが、「シェアリングサービスが充実し、テザリングを使えばどこでも仕事ができたりテクノロジーが進化していました」と、東京を出る前と社会環境が大きく変わっていたことを実感した。
「そこで都市型バンライフを始めたんです。まずは1987年製のメルセデスのバン『307D』を購入。ベッドやキッチンなど内装はDIYして、ビル内のすべてがシェアできる『永田町グリッド』のパーキングにバンを停めて、ワークスペースを使いながら仕事をしていました。ウェブデザインはネット環境とPCがあればできますから」。
永田町の駐車場を拠点に、ジョニーさんはバンで移動しながら“職場”を変えてきた。
そんな移動型生活を送るなかで出会ったはる奈さんと結婚したあとも、バンライフを送ってきた。そうして地方移住とデジタルノマドを手段に、この10年は好きなときに好きなところで暮らしてきたジョニーさん。半面、はる奈さんとは「ゆくゆくは四季のある山に住みたいね」と話していた。
「海か山なら山。暑いか寒いかなら寒い。八ヶ岳、すごくいいよね。そんな話をしていたんです。実際、長野県の富士見町にあるシェアオフィス『富士見 森のオフィス』はよく利用していましたし。そしてLACとの出会いがあって、昨年、LAC八ヶ岳北杜のプロデューサーに就くことになりました」。
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