「ラジオ体操2.0」とは……シンプルな動作であるにもかかわらず、体の“何となく不調”を改善できてしまうラジオ体操第2。
今回は、ぎっくり腰の予防や腰痛改善に抜群の効果を発揮してくれるエクササイズを紹介していこう。
【教えてくれる人】新田幸一さん高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。
ぎっくり腰の再発は防げる!?
-40代にもなると、ぎっくり腰経験者ってけっこう多いんじゃないかと思います。そういう人って、「またやっちゃいそう」っていう恐怖感から、ますますストレッチとか筋トレから遠ざかると思うんですよね。新田 : そうですね。その点ラジオ体操は腰痛持ち、とくにぎっくり腰になったことがある人には最高のエクササイズだと思います。急な動作が少ないから、筋肉に無理をさせることがないからです。
-ぎっくり腰って、なったら最後。あとは動くこともできないほど痛いですよね。新田 : 僕もひどい腰痛に悩まされた経験があるので、あの痛みのツラさがハンパないことはよく知っています。1週間、ほとんど動けずにベッドで過ごしていたほどひどかったですから。
-新田さんのように、常にアスリートと一緒に体を動かしているような人でもそんなことになっちゃうんですね。新田 : ぎっくり腰は「腰の捻挫」って言われるくらいですから。トップアスリートだって捻挫はするでしょう? だから、日頃から運動してるから大丈夫、なんて安心しちゃいけないんです。
-そもそも、ぎっくり腰はなぜ発生するんですか?新田 : アスリートの場合は、オーバーユース。つまり使いすぎが大きな原因でしょうね。たまりにたまった疲れが一気に噴出する、ってイメージですね。一方、一般の人の場合は腰まわりの筋肉が弱っている、または硬くなっていることが考えられます。また、腹筋と背筋のバランスが崩れていることも原因になりますね。
いずれにせよ、体全体の硬さのバランスが崩れると、ぎっくり腰だけじゃなくて、椎間板ヘルニアなども引き起こします。腰は体の要で全身のバランスをとるのに使われる、ただでさえ負担の多い部位。頑丈にできてはいるものの、使われすぎちゃうと疲弊して、いずれは壊れちゃうのは当然です。
-ぎっくり腰はクセになるって本当ですか?新田 : 油断すると再発はしやすいですね。基本、ぎっくり腰は運動不足が原因ですから、痛みが取れてまた運動しない生活に戻っちゃうと再発しますよね。でも、クセって表現はちょっと語弊があるかな。心を入れ替えて体を動かすようにすれば、過去に何度かぎっくり腰になった経験があったとしても、再発は防げますから。
-先ほどのぎっくり腰の原因を聞く限り、予防するには体の前と後ろの筋肉のアンバランスさを取ればいい、ということになりますよね。新田 : そういうことです。そこでおすすめしたいのが、今回のラジオ体操第2「体を横に曲げる運動」と「体を前後に曲げる運動」なんです。
-これで体の硬さのバランスが取れると?新田 : このふたつのエクササイズは最高ですよ。というのも、腰まわりを前後左右、全方向に動かせるからです。
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